もしも老子に出会ったら 山田史生著
「これが道だと思うような道はほんとうの道ではない」。これは中国の古典『老子』の出だしの現代語訳だ。中国思想の研究者の著者は若いころ「それが言葉だとはわかるが、頭の中を素通りしていく」と難解さに困惑したが、数えで50歳になり「わからないが面白い」と思うようになった。
少女が学校の帰り道に、なぜか原っぱで寝ていた老子と出会う。そこで家庭崩壊、貧困、争い、欲望などの現代の問題について語り合い、老子が「言うであろう」言葉で紹介する。数々の味わい深い言葉が、「足るを知るほうが楽だったりする」「あえて無限小の力でやり続ける」「意志の弱さをつらぬく強い意志をもつ」など、著者の流儀で読まれてよみがえる。
光文社新書 798円
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