環境問題を経済から見る 福島清彦著
「100年に一度」という表現には食傷ぎみだが、この本はエネルギー革命が起きているとの指摘だ。いずれなくなる石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料からの移行を革命と位置づけ、1.二酸化炭素を出さない、2.再利用可能、3.最も低コストの3条件を満たしたものが、次世代の主要エネルギーになる方向に加速がついていると判断する。
そこにあるのは資源枯渇ではなく、地球温暖化の阻止、新投資による持続的な経済発展の観点だ。それだけ、欧州をその先進地域ととらえる。計画的に化石燃料時代を終わらせ、太陽光や風力発電など再利用可能エネルギーと原子力の時代へ、いち早く移行しようと、二酸化炭素の削減に早め早めに取り組んでいるからだ。環境・エネルギー技術を次の経済発展の原動力にしようと国を挙げて開発している点も評価している。
洞爺湖サミットで削減基準年と計算方式の変更を提案するような環境外交は失敗するとも警告する。
亜紀書房 2415円
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