「MMT」や「反緊縮論」が世界を動かしている背景 「AOC、コービン」欧米左派を支える主要3潮流

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またこの同じ記事でサンダースは、民間の銀行がフェッドの元に預けている預金にフェッドがプラスの利子をつけていることを、「正気の沙汰でない」と非難し、逆に銀行から手数料を取るべきであると、いわゆる「マイナス金利政策」を提唱している。

そして2018年のアメリカ中間選挙では、サンダース自身が上院議員選挙で圧勝したほか、サンダース派が下院で10議席、州議会で36議席獲得して台頭した。

中でも最年少の女性下院議員となった「アメリカ民主社会主義者」のアレクサンドリア・オカシオコルテスは有名になった。その公約として、国民皆医療保険や公立学校・職業専門学校の無償化と並び、目玉になったのが、後述の「雇用保証プログラム」である。

オカシオコルテスは当選後、ウェブ雑誌「BUSINESS INSIDER」のインタビューで、「政府は予算のバランスをとる必要はなく、むしろ財政黒字は経済に悪影響を与える」とするMMTこそ「絶対に」「私たちの言論の中にもっと広がる」必要があると語っている。

また彼女は、テレビ番組「60 Minutes」のインタビューに答え、「グリーン・ニューディール」を賄うために、超富裕層に最高70%の課税をすると示唆して保守派の怒りを買った。

サンダース派の経済政策ブレーン

サンダースの2016年の大統領選挙運動の経済政策顧問、ステファニー・ケルトンは、MMTの中心人物の1人である。彼女は今回また、サンダースの経済顧問になった。

また、オカシオコルテスの目玉政策、「雇用保証プログラム」は、従前のMMTの看板政策である。これは、元来ニューディール政策に前例があった、働きたくても仕事が見つからないすべての人に、連邦政府が雇用を保証する政策である。

東洋経済オンラインの2018年5月25日の記事では、2020年の大統領選挙への出馬を目指す民主党の政治家たちが続々と支持を表明しているとのことである。

また、サンダースは、大統領選挙運動中、CNNの番組で、将来政権をとった暁の内閣の顔ぶれをキャスターに聞かれ、クルーグマンへの高い評価を表明している。

クルーグマンを財務長官にしたいという話は別のインタビューでもしていた。また、別の機会では、政権をとったら、スティグリッツや、クリントン政権下で労働長官だったロバート・ライシュを迎えたいと話している。

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