追い込まれる巨大マスコミの構造問題

業績が軒並み急悪化!

「10月改編のネットタイムの空き枠25分超」--。昨年9月24日、テレビ朝日の営業局は背筋の凍る思いをしていた。

“ネットタイム”とは、全国“ネット”と、番組時間内に流すCMである“タイム(スポンサー広告)”を足し合わせた業界用語だ。全国放送されるスポンサー広告は長期契約のため、テレビ局の収益の基盤だ。スポンサー広告の最小販売単位は30秒。「25分超の空き枠」は、単純計算で50本以上のCM枠が余っていることを意味する。

10月はテレビ局にとって、年に2回の番組の改編時期だ。つまり、テレ朝は、あと1週間余りで新番組が始まるにもかかわらず、複数の番組でスポンサーが固まっていないという“異常事態”に陥っていたのである。しかも、前週の9月17日から、懸命に営業努力したにもかかわらず、1週間で埋まったのは、たった1分という惨憺(さんたん)たる状況にあった。

そんな苦し紛れのテレ朝が打って出た策が、ネットタイムの強烈な値下げ攻勢。「テレ朝のネットタイムとフジテレビのローカルタイム(関東地区のスポンサー広告)の価格が同じになってしまった。2~3倍の差があってもいいはずなのに、いくら何でも下げすぎだ」とフジテレビの経営幹部は半ばあきれ顔で吐き捨てる。「おかげでこちらも値下げせざるをえなくなったんですよ」。

TBSは管理職の賃金をカット

「経営環境の悪化が進んでいます。皆さんも協力してください」

昨年秋、TBSの井上弘社長から賃金カットを伝える、こんな文書が管理職に送られた。その内容は部長以上が月額3万円、副部長クラスは月額1万円の一律給与カットというもの。年収1000万円を超える彼らの収入から考えれば大きな金額ではないが、社内には衝撃が走った。「7月に役員もカットしたから管理職も、ということだろうが、女性問題をフォーカスされるような社長にそんなこと言われてもね」とTBS中堅幹部はため息をつく。

70年代後半に視聴率トップを誇ったTBSは今や見る影もなく、放送事業はどん底。関東地区の全日(6~24時)の視聴率は、フジテレビ、日本テレビ放送だけでなくテレ朝より下の4位。放送事業は今期赤字に転落する見通しで、今や昨年3月に開業した赤坂サカスから得られる不動産収入で生計を立てる“赤坂不動産”とも揶揄される。

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