「べき論」を語る人が孤立しがちな本質的理由

「巻きこめる人」になるための"3つの考え方"

そこでこの記事では、周囲の人に「この人に協力したい」と思ってもらえる3つの視点の切り替え方についてご紹介します。

「こうすべき(Should)」→「こうしたい(Want)」

「〜すべき」という考えは周囲の人を動かす強い考え方だと思われるかもしれませんが、この考え方で周囲を巻き込もうとすると実はあまり上手くいきません。なぜなら、誰もが納得する絶対的な「べき」はないからです。

「べき」と言うといかにも正論のように聞こえますが、実際には「べき」は立場や環境、経験、時代によって変わるものであり、人は皆違う「べき」を持っています。こう考えると、すべての「べき」は正しいかどうかわからないといってもよいでしょう。つまり「べき」で相手を説得して巻き込もうとすると失敗しがちなのです。

職種や部門による「べき」の違いをあげてみましょう。営業の人は「顧客の要求にきめ細やかに応えるべき」、管理部門の人は「コストがかかる個別対応は会社の利益を減らすからやめるべき」というふうに立場が異なれば「べき」は変わってきます。

環境による「べき」の違いを挙げてみましょう。東京ではエスカレーターは「右側を空けるべき」、大阪では「左側を空けるべき」という違いがあり、うっかり反対側に立っているとどつかれます。さらには「エスカレーターの歩行は危険だから止まって乗るべき」という管理側の「べき」もあります。

つまり、「べき」論で周囲を巻き込もうとすると完全に一致する状況というのはあまりないため、衝突が生まれやすいのです。

ではどうすればいいでしょうか。「こうしたい(Want)」という視点で切り替えて話すのです。メリットは3つあります。

・相手の「べき」を否定しないため、共感が生まれやすい
・(仮に)考え方に違いがあっても問題になりにくい
・「ではどうしたらそうなるのか?」ということを一緒に考えてもらえる

私が新しい業務を導入した際には、私は「全員同じやり方で統一してやるべきだ」と強く主張し、周囲の人の「自分のやりやすいやり方でやるべきだ」という思いとぶつかっていました。

次ページ「べき論」を振りかざすのをやめたら…
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