年収2000万円世帯に「貯金ゼロ」が多い理由 高収入がいつまでも続くと思ってはいけない

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欧米人の場合、駐在員が多いために妻のほとんどは専業主婦です。広い住居に子ども3〜4人と暮らし、ペットを飼っている家庭も少なくありません。どんなに近くでも移動は車というライフスタイルが標準的です。

バカンスも長く、1ヵ月近くリゾートで過ごす人もいるくらいです。中には、一足3万円もするブランド靴をママだけでなく4人の子どもにも履かせていたり、子どもの洋服も高級ブランドのものを定価で買うような人もいます。ワインなど、お金がかかる趣味を持っている人もたくさんいます。

いかに税金が低い国とはいえ、こうした生活を送っていては年収2000万円でもすぐにカツカツになってしまうでしょう。一方、物価が安いとはいえ、税金が高い日本だとやはり家計は苦しくなるでしょう。

稼ぐために貯金より自己投資を最優先

このような高支出家庭は、自分への投資を最優先する傾向が見られます。つねにベストを目指す最上志向の人も多いので、貯金の優先順位は下がります。「貯金なんてしても意味がない」と思っている人もたくさんいるのです。余っているお金があれば自分に投資をして、収入を増やす努力をする人たちだからです。

健康維持や豊かな体験も含めて、プライベートも仕事につながると信じているので、そこにお金をかけます。こうした理由から、収入に対して驚くほど貯金が少ない家庭が非常に多いのです。もちろんフローがどんどん増えていけばフローで回していけるので、「宵越しの金は持たない」という戦略もアリなのかもしれません。

こうしたタイプが困るのは、万一のことがあった場合です。潤沢なフローがある日パタリと切れてしまうと、家族は非常に困ることになります。そうなったときのことを考えると、やはり今の「貯めない生活」は楽観的すぎるでしょう。そんなときのために、ある程度蓄えがあるほうが安心できるはずです。

「金は入っただけ出る」というパーキンソンの法則があります。家計支出は収入に応じて増えるばかりでなく、収入を超える傾向があり、ほとんどがそうなるという考え方です。自由なお金が増えれば、それに応じて自由気ままに使ってしまい、収入以上に使い過ぎてしまう傾向があるのです。

この法則に逆らってお金を貯めるのは、容易なことではありません。前回の記事でも書きましたが、代々続く資産家のように努力をしてお金を守る必要があるのです。つまり、お金は簡単に底を尽きるという強い恐怖感を持っていないと、本当のお金持ちにはなれないのです。

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