選手村マンション「晴海フラッグ」に渦巻く賛否

モデルルーム潜入!本当の価格とリスクは?

ゴールデンウィーク中の「晴海フラッグ」ショールームは、多くの見学客でごったがえしていた(5月5日、記者撮影)

2020年に開催される東京オリンピックの選手宿泊施設「選手村」の建設が今、東京都中央区晴海で進んでいる。跡地は巨大なマンション街となって一般に販売される計画だが、その値段については、これまでさまざまな噂が業界で立ち上がっては消えてきた。周辺相場よりも大幅に安く売りさばくに違いない、という声。一方で、周辺相場とほとんど価格差はないだろう、という声もあった。

価格が話題になってきたのは、首都圏のマンション市場に与える影響が大きいからだ。大会中に選手村として使われた後、内部をリフォームして新築として売る中層マンション17棟に加え、大会終了後にタワーマンション2棟を新設する。その総分譲戸数は何と4145戸。過去最大級の民間分譲マンションでも2100戸程度だった。今回は倍近い規模になる。

この「晴海フラッグ」と称される、史上最大の分譲マンションプロジェクト。三井不動産レジデンシャルや三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産など大手デベロッパー10社が勢ぞろいして開発と販売にあたるのも、異例のことだ(施行者は東京都)。価格設定いかんでは周辺相場に影響を与えてもおかしくない。

モデルルームは4月27日から公開し、物件の申し込みも今夏から始める。しかしながら、4月23日に開かれた記者向けの事業説明会では、「正式には調整中で決まっていない」ことを理由に、「5000万円台~1億円以上」と大ざっぱな価格帯を公表するのみだった。警戒心からか、残念なことに、マスコミ向けに販売価格を公にするつもりはないようだった。

GW中は1200組が来訪、若い家族層がメイン

しかし、完全予約制で開催される購入希望者向けのモデルルーム案内会では、“参考値”として価格が知らされるという。そこで今回、モデルルームにお客として出向き、詳細を調べてみた。

ゴールデンウィーク(GW)最中の晴海。あちらこちらに建設中のクレーンがそびえ立つ、そのコンクリート街がひときわ熱気を放っていたのは、一足早く夏の日差しが照りつけていたせいだけではない。若い夫婦、年をとった夫婦、小さい子どもを連れた家族――。人々が次々と原色で彩色されたモデルルームに吸い込まれていく。

GW中の来場者は1200組超に達し、案内会の入場枠は6月末までいっぱいだという。記者が参加した日は、若い夫婦が参加者の多数派を占めていた。うち1組の夫婦は、女性が初夏らしいオレンジのワンピースにトートバック、男性は清潔感ある水色のシャツにデニムの装いで、生まれたばかりの子どもを連れていた。リタイア後と思えるシニアの夫婦も少数いた。モデルルーム内に設けている託児部屋は早朝から満杯となっていたのである。

次ページ価格は最低6000万円台前半から、最高で・・・
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