バフェットはなぜ今頃アマゾンに投資したのか バークシャー・ハサウェイ総会に行ってみた
バフェット:自分(バフェット)は企業の独立取締役を20社やったが、そこで経験したのは、独立取締役が、例えば1社で年間25万ドルというように、高い報酬をもらっていることだ。
そうなると、独立取締役をすることが収入源になる。何社も務めるインセンティブが働くだろう。そうなると、どうしても会社側に与したり、経営陣の顔色をうかがって、株主の利益にならない方向に行きがちになる。バークシャーの取締役は無報酬でやってもらっているが、この独立取締役の報酬の面は、もっと取り上げられるべきだ。
アマゾンへの投資で、投資の方向性が変わったのか?
バフェット:バークシャーの2人の運用マネジャーのどちらかが、最近アマゾンに投資した。投資額は間もなく発表される。アマゾンへの投資が割安株投資ではないとは言えない。どの株でも株価が割安かどうかの判断は、将来の利益の現在価値の合計と株価との対比による。
2人のマネジャーとも、自分(バフェット)が例えば銀行に投資した場合と同じ投資手法で投資する割安株投資家だ。2人とも優秀で、バークシャーにすべてを捧げていて、立派な人物だ。自分(バフェット)がやっているやり方と同じやり方で、今後も彼らはやっていくだろう。
自分(バフェット)とマンガーがアマゾンに投資しなかったことは許せるとしても、グーグル(現在の上場名はアルファベット)に投資しなかったことは、アマゾン以上に痛い。すっかりすっ飛ばした。われわれは自動車保険の傘下企業ガイコがグーグルを活用していて、その機能がいかに優れているかを見ていたのにだ。
マンガー:グーグルを座ったまま、指をくわえて見ていた。これは甚だ残念だ。
ちなみに、バフェットは5月2日CNBCのインタビューに「これまでアマゾンのファンだったが、株を購入しなかった」のは愚かだったと言明。アマゾン創業者のジェフ・ベゾスを低く見すぎていたという。バフェット率いるバークシャーはアマゾンとJPモルガンと共同で、それぞれの従業員に透明性が高く、低コストの医療保険を提供する会社を設立する。
バフェット:アメリカ経済やアメリカの人々は極めて創造性に富んでいて、大きな変革が起きる。そこで、新たな雇用を生み出していく。“次に起きる大きなこと”が何かはわからないが、必ず起きるということはわかる。そこでも、新たな雇用を生み出していくだろう。
バフェットとマンガーを見ていると、まさに歴史上の偉人がそこにいるという感がする。2人とも超のつく金持ちなのだが、その気配は微塵もない。
バフェットは言う。「一定程度のお金を持てば、それ以上はどうでもよくなる。私は、『墓石にどう書き残してほしいか?』と聞かれると、こう答えるようにしている。『“ここに眠る人は、多くの人にたくさんのことを教えた人である”と書いてほしい』と」。
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