――そういえば家事なんかはどうしています? ご夫婦ともに仕事は忙しいですよね。
沈:うん、だから週末にちょっとやるくらい。彼女が料理したら、僕が皿を洗うとか。でも外食が多いですね。掃除もあまりしてないので、家の中は雑然としていますよ。
――お手伝いさんをやとったりは?
沈:そこまで広い家じゃないし、僕の両親がすぐ近くに住んでいるので、子供の世話なんかは親にも手伝ってもらっています。
友人妻:中国人カップルで、夫婦ともに何も家事ができなくて離婚したという話も聞きます。本当に何もできない人、けっこういますよね。
沈:僕は、それは口実だと思うな。ずっとやってこなかったから、やらないことが習慣になってしまっているだけだと思う。実際、やってみたらそんなに難しいことではないでしょう。
――私の知り合いの中国人男性で、外資系メーカーの研究部門のトップをしている人は、「男にとって家事をするのは能力の浪費」と言っていました。年は沈さんと同じくらいです。
沈:その考え方は一般的とはいえないけれど、気持ちはわかります。僕も奥さんが専業主婦で、家計を自分ひとりで支えていたら、家事はしないでしょう。
――その男性は、「能力のある男性は家庭の外に女がいるものだ」とも言っていましたね。
沈:それは中国の歴史と関係があるでしょう。昔から権力者や大商人は愛人を何人も囲っていました。彼がそう言うのも、別に不思議なことではないです。今どきの成功した中国人男性は多かれ少なかれ、この彼と同じような考えでしょう。
だから成功した男性に嫁ごうという女性は、心の準備をしておくべきです。経済的な心配がない代わりに、結婚生活ではちょっとだけ我慢をすることになる。でも奥さんがほんの少し目をつぶれば、家庭はうまく収まります。成功した男性はみなそう考えていると思いますよ。
――沈さんも愛人囲いたい?
沈:いや、まあ、実のところ本音を言えば……。
――だから中国の女性は、「社会にも家庭にも安全感がない」と言うんですよ!
沈:いや、でもすごく成功したらの話です。
――奥さんは同意します?
沈:説得しますよ!
友人夫婦:説得って何(笑)。
沈:家庭を壊すつもりはないことをちゃんと説明します。金持ちは基本的にみな愛人を囲っているけれど、正妻は正妻、愛人は愛人です。女性を囲ったからといって、それで家庭を壊すつもりはありません。正妻の地位は絶対です。
――それで奥さんが納得しますかねえ。
沈:経済的に自立した今の女性には、受け入れがたいかもしれないですね。でも僕だって最初から「愛人を持つぞ!」と宣言して、相手を探すわけじゃないです。ばれたときに、一生懸命説得するのです。
ただそもそも、僕はそこまで成功しているわけではないので、愛人を持つ資格は今のところありません。
友人夫:沈さんだってかなり儲かっているほうだと思うけれど、子供の教育にはすごくカネがかかるから、そうそう遊んでもいられないよね。特に沈さんが住んでいるのは北京でもトップの進学エリアだから、教育費はいくらあっても足りないでしょう。
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