――沈さん、確かに穏やかでやさしそうですねえ。女性にもてそうな感じ。
友人夫:いやいや、中国では、彼みたいなタイプはあんまりもてないよ。
――ああ、この国では確かに、もっと脂ぎっていて腹黒そうな男性のほうが人気かも。ところで沈さんは、奥さんのどんなところに引かれたのですか?
沈:スタイルがよかった(笑)。
――そこ?!
沈:いやまあ、いいところもたくさんありますよ。ただ言い方がきつい。そして声が大きい。最初はよく衝突しました。でも何年も経ったらだんだん慣れて……。僕がちょっと我慢すればよいだけの話です。妻の言い方がきついからって、家庭に問題があるわけでありません。それに、北京的な言い方をすれば、うちの奥さんは「物わかりがいい」。
――「物わかりがいい」?
沈:たとえば僕が接待などで帰りが遅くなっても、事前に言っておけば、それをガミガミ言ったりしません。
――ああなるほど。そういえば、先日、話を聞いた男性は、お子さんがまだ小さくて、接待で帰りが遅くなると、奥さんはご不満だという話でした。
沈:その人、年いくつ?
――39歳。結婚して3年。
沈:僕とかわらないじゃないか。
――再婚だそうです。
沈:ああ、それはちょっと複雑な状況だな。奥さんは彼に離婚歴があるから、よけいに心配しているのだと思う。
友人妻:でもこれが結婚10年くらいになると、お互い麻痺して、心配も少なくなるでしょうね。
沈:いやいや、そうとも言えないよ。やはり夫に離婚歴があると、奥さんの心配事は増えるだろうね。
――沈さんの周りでは、奥さんが強すぎて家庭の危機といったご夫婦はいらっしゃいますか?
沈:僕の仲間内ではいないな。ときどきキレて、うちにみたいにギャーっとなることはあっても、少なくとも、「夫は何が何でもこうあるべき」といったことを言うような人はいない。どこの奥さんもおおむね「聞き分けはよい」です。ただし、すご~くやさしくて穏やか~な奥さんというのも、ひとりもいませんね!
友人妻:知り合いの日本人女性で、会社を経営していて、だんなさんより稼いでいる人がいるのですが、彼女は人前ではいっさいそういうそぶりは見せないんですよ。
沈:中国ではそんな話はまず聞かないなあ。いいねえ。女性はやっぱりそうあるべきだよ! そんなふうに男を立ててくれたら、気持ちいいだろうなあ。2人きりのときにそうしろとはいわないけど、子供や親や友達の前でキレるのはやめてほしい。
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