日経平均株価2万2500円の「壁」は厚くない

2019年「セル・イン・メイ」は当てはまらない?

5月2日(木)は、原油在庫が2017年9月以来の高水準に達したことから、WTI原油先物が1バレル=61ドル台に大幅続落。毎週木曜の重要指標である新規失業保険申請件数が23万件(前週比変わらず、予想の21.5万件を上回る)、失業保険継続受給者数は167.1万人(前回の165.4万人からこちらも予想以上の増加)。ダウは続落の122ドル安だった。

そして週末3日の雇用統計を迎えたわけだが、結果と市場の反応は前述の通りだ。結局、前々週末のNYダウは2万6543ドル、前週末は2万6504ドル。日本の投資家が「何かあったら波乱リスクに対応できない」と怯えていた1週間の結果は、ダウで言えばわずか38ドル安だった。「大山鳴動、鼠一匹」である。

しかし、実は多くの投資家の本音はあらかじめこんな形で歴史的な10連休が終わることを予想していたのではないか。だからこそ、閑散ながら連休前の相場は底堅さを示していたのではないか。金利は低水準で安定し、景気指標は強いが過熱していない。「第2次ゴルディロックス(適温)相場」継続の中、連休は静かに終わろうとしている。

日経平均の2万2500円は意外にあっさり突破?

それでも平成元(1989)年の自粛ムードを知っている者としては、今は少しでも「お祭り騒ぎ」があることが誠に嬉しい。1989年の改元当時はバブルのピークで株だけは上がり続けたが、後から考えてみると、その後の惨状を暗示するような沈滞ムードだった。現在のところ、多くのエコノミストの日本経済に対する見方は「2019年の後半に回復する」だが、このお祭りムードは年後半の経済にもプラスではないか。

さらに前回でも伝えたが、昨年12月の相場で売った「空売り筋」は、その後「不安の中をよじ登る」型の相場だったため、明確な踏み上げ(買い戻し)のタイミングがつかめていない。そのため、エネルギーは溜まったままで、絶対期日である6月を迎える。それらを考えると、この時期話題になる「セル・イン・メイ」は今年においては当てはまらないのではないか。

上値の抵抗帯もすでにない。上値の抵抗力に使われる「価格帯別出来高」だが、一般投資家が使う昨年初めからの計算では2万2500円に大きな抵抗帯が見える。しかし高値を付けた昨年10月を起点とする「価格帯別出来高」では、2万2500円は薄い雲に過ぎない。

現在の日本株は、寄り付きは欧米の株価次第(従って、マドあけスタートが多くなる)、中盤は上海総合指数や香港ハンセン指数を見ながら、終盤は日銀のETF(上場投資信託)買い動向で決まる日々となっている。まったく情けない状態だが、NY株が再度史上最高値を取り、上値方向に動いたらどうするのか。

もちろん不安もないわけではない。5Gの本命と見られたアンリツの今期予想が大幅減益で、こうした予想に市場は戸惑っており、中心テーマである5Gに対して、再構築しなければならなくなった。それでも3月の建設受注が前年同月比68.9%の増加を記録。4兆1052億円となり、1992年3月の4兆3000億円に迫った。平成の約30年間はバブルの後処理、真性デフレとの戦いだった。令和時代は新しいスタートラインに立ったと言える。今の「改元フィーバー」は、世界中で唯一日本人にしか分からない感覚だ。日本市場の自主性に期待したい。以上を勘案、今週の日経平均予想レンジは2万2200円~2万2800円とする。

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