日経平均株価2万2500円の「壁」は厚くない 2019年「セル・イン・メイ」は当てはまらない?
大型連休中の下落リスクに怯えていた日本の投資家は少なくなかったはずだ。だが結局、先週末3日金曜日のNYダウは前日比197ドル高の2万6504ドル、ナスダックも8164ポイント(前日比127ポイント高)と大幅反発した。ナスダックは4日ぶりに史上最高値を更新している。注目の4月の米雇用統計が、非農業部門の新規雇用者数は前月比で26万3000人増と予想(18万人5000人増)を大幅に上回り、失業率も3.6%と49年4カ月ぶりの低水準を記録したためだ。
アメリカの景気指標は「まちまち」
しかも、物価の先行指標と言われる平均時給が前月比0.2%増と予想の0.3%を下回り3月と同水準だったことで、インフレ圧力は弱いと判断され、これも好感された。まさに「適温相場」の様相だ。
ここで改めて日本の連休中のアメリカ市場をざっとおさらいしておこう。4月30日(火)にドナルド・トランプ大統領と民主党幹部が総額2兆ドル(約220兆円)規模のインフラ整備で合意したことが伝えられ、ダウの下値を支えた。5月1日(水)の連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定した。
ただ声明文は「労働市場は引き続き力強く推移し、経済活動は堅調なペースで拡大している」と、インフレ傾向を示唆したため、今後の金利低下に期待した向きの失望売りが出て、ダウは162ドル安となった。ジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見は終始中立的発言だったこともあり失望を呼んだ。
しかし、重要指標の一つであるISM製造業景気指数(4月)は52.8と、3月の55.3から低下。予想の55を下回り2016年10月以来2年半ぶりの低水準で、FOMCの見解と違っていた。一方4月のADP雇用統計は前月比27.5万人の増加で、伸びは3月の15.1万人増加から拡大。事前予想の18.0万人増加を上回り、昨年7月以来で最大を記録と、景気指標は強弱の材料がともに出た。
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