子供が進級したら死亡保障額を見直す良い機会 「かけすぎ生命保険」をスリム化する見直し術
大島家では高校まで公立、大学から私立、というコースを考えており、学校教育費のほかに塾などの費用がかかります。大学は私立文系の場合、4年間で500万円程度が目安。この金額を遺族年金と妻1人の収入で賄うのは難しく、生命保険で準備するのが一般的です。
小学校から高校までは進学先や、塾や習い事にどのくらいお金をかけるかによっても異なります。文部科学省「こどもの学習費調査」(平成28年度)によると、学校教育費、給食費、学校外活動費を含め、小学校は公立で年32万円(私立153万円)、中学校は公立48万円(私立133万円)、高校は公立45万円(私立104万円)となっており、小学校から高校まで公立の場合は約471万円です。
大島さんの長男は10歳、長女は8歳ですから、長男の教育費などの目安は小学校64万円、中学校144万円、高校135万円、大学500万円で843万円。長女のほうは小学校128万円、中学校144万円、高校135万円、大学500万円で907万円が目安です。2人合計で1750万円となります。
大島さんは学資保険に加入しており、長男、長女とも、18歳時にそれぞれ200万円の学資金が受け取れます。したがって保険で準備する金額は1750万円から400万円を引いた1350万円です。さらに教育費として貯蓄しているお金がある場合は、その分を必要保障額から引くことができます。ちなみに、学資保険や子ども保険は、父親など契約者が死亡した場合は以後の保険料が免除され、決まった時期に学資金を受け取ることができます。
子どもが進級すれば、必要な保障額は減っていく
このように夫の死亡によって家族が得られるお金を考慮したうえで、いくらの死亡保障が必要かを見極めることが大切です。さらにもう1つ、大きなポイントは、子どもが1学年進級すれば、必要な保障額は減っていく、ということ。教育費として用意すべき額も減っていきますし、生活費の不足分を備える年数も短くなり、必要額が減少していくわけです。「生命保険は一度入ったら、そのまま」というのではなく、定期的に見直すことが大切です。過剰な保障から適切な保障額に見直すことで、保険料負担を抑えられます。ずっと入ったまま、という人は、必要保障額を見直してみましょう。
保障が自動的に減っていくタイプの生命保険もあります。死亡後に、年金のような形で保険金が支払われる「収入保障保険」というもので、年金月額10万円、保険期間10年の場合、1年目に死亡すれば1200万円近く保険金が受け取れるのに対し、5年目に死亡すると600万円など、保険金の総額は少なくなります。魅力は、ずっと同じ保障が続く保険よりも保険料が安いこと。必要な保障額は年々減っていくのですから、理にかなった保険、といえるでしょう。
賃貸なら家賃負担が続く分、毎月の生活費が多いですし、妻の老後資金も保険で確保しておきたいと思えば、より多くの保障が必要など、適切な保障額は個々の状況や考え方によって異なります。とはいえ、保障が大きいほど保険料は高くなりますから「保障は適度に、あとは貯蓄を増やす」、というのがお勧めです。
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