各国の中央銀行は自らの供給するおカネの量を調整することなどで、市場にあるおカネの量を調整し、それぞれの国のおカネの価値を安定化させている。中央銀行や政府のような組織のないビットコインでは、誰も貸し借りで膨張する流通量をコントロールしようとする人はいない。
ビットコインの可能性のひとつは、送金などの手数料の安さだ。ビットコインを使えば国と国の間の送金でも手数料がほとんどゼロというのは大きな魅力的だ。金融機関を使った海外への送金手数料はどこの国でも高額なようで、留学生が米国の大学への学費を低手数料で送金するpeerTransferのような仕組みもある。ビットコインに限らず、インターネットを使った国際的な資金取引の利用は大きく拡大するかもしれない。
排除か、共存か
しかし、ビットコインを使った国際的な取引が拡大していけば、政府や中央銀行にとっては厄介なものになるだろう。インドでは政府の警告で取引所が閉鎖になり、中国の中央銀行は法的に保護されていないという警告を発し、金融機関による使用を禁止したと報道されているなど、排除の動きも出ている。
各国の政府や中央銀行が、既存のおカネと共存させようとしていくのか、それとも排除しようとするのか今後は興味深い。今のところ欧米諸国では使用を禁止するのではなく、何らかの規制を導入する方向に動いていると報道されている。
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