金を通して世界を読む 豊島逸夫著

金を通して世界を読む 豊島逸夫著

金融危機の表面化とともに、リスク分散とリスク逃避が交差して一気に沸騰した金(きん)市場。個人投資家は金貨、金地金の買いに走って品薄を助長。と思えば、ヘッジファンドはリスク資産の圧縮の一環として先物の金を売る。本書でその動きが手に取るようにわかる。

かねがね不思議に思っていたことに、主要国の外貨準備の中身がある。ドルの発券国アメリカは金の比率が8割に近く、イタリアやドイツ、フランスも6~7割近くを金で保有する。ところが、世界で1、2位の外貨準備を抱える中国、日本はなんと1~2%程度に過ぎない。2007年に南アを抜いて生産国1位になった中国はまだしも、日本は電子製品からの回収金の輸出国にさえなっている。

著者は現在、非営利法人で調査研究などに従事。金生産・流通の川上から川下まで知り尽くすプロとしての経験・知識が惜しげもなく披露される。昨年6月に東証に重複上場された金ETFの実情にも詳しい。

日本経済新聞出版社 1890円

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