よみうりランドが描く「スーパー遊園地」の夢 老舗遊園地はテーマパークに追いつけるか
もちろん「スーパー遊園地」となる目的は単なる再成長ではなく、ディズニーリゾートやUSJに「集客力」で引けをとらない遊園地となるためだ。年間の入園者数で「東西の横綱」に並んで初めて「スーパー遊園地」と名乗れるといえる。
よみうりランドの約200万人という入園者数は決して少なくないが、オリエンタルランドの3000万人超、USJの約1500万人に比べると、1桁少ない。新宿駅から電車で25分という立地にもかかわらず、長崎のハウステンボスの300万人弱とは大きな差がある。
アトラクションや新施設を充実させても、投資に見合った集客ができなければ、ディズニーリゾートやUSJに匹敵するような「スーパー遊園地」にはなれない。
カギは首都圏の認知度向上とインバウンド
一般的な遊園地の場合、入園者の多くは周辺や地元の住民となる。よみうりランドの場合、現在の入園者の大部分は東京都と神奈川県の住民が占めており、拡大には近隣の北関東や甲信越での宣伝活動が不可欠となる。
もう1つ開拓の余地が大きいのは、訪日観光客(インバウンド)の取り込みだ。10カ年計画には「訪日外国人」や「海外」という単語が目立つ。現状、インバウンド客の割合はわずかで、「(インバウンドが)年間3000万人を超えてくる巨大なマーケットであることを自覚し、強化していく」と杉山社長は意気込む。
とはいえ、よみうりランドの入園者数が10年かけて計画通りに増えても、現在のUSJの半分以下にとどまる。ディズニーリゾートは大規模な拡張計画を、USJも大型のアトラクション導入を進めており、よみうりランドにとって両横綱の背中は遠くに位置している。老舗の遊園地が第3極の「スーパー遊園地」となる日は来るのか。
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