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では、コーポレート・ガバナンスについてたとえてみましょう。この用語の根本的な意味は、「会社の経営陣が立場を利用して私腹を肥やそうとしないためのルールづくり」ということです。これを誰もが経験したことのある、先生と生徒の関係でたとえてみます。

先生と生徒は、事実上、立場が上下関係にあります。上の立場である先生たちが、自分たちのために生徒に強いていることの1つに、「夏休みの登校日」があります。もともと、夏休みの登校日の始まりは、先生たちの8月の給料日でした。昔は銀行振込ではなく、給料日に学校に行って直接もらっていたのです。どうせ学校に行くならと、子どもたちも登校させたことが、今も慣習として残っているのです。

さも「宿題の進捗確認」や「日々の生活リズムがたるまないように」と生徒たちのことを思っているような大義名分が用いられますが、もともとはそんな理由だったのです。強い立場にいる人が、本当は自分のためなのに、あたかも弱者のためのようなふりをしている。コーポレート・ガバナンス的に言うと「よろしくない」方向になっているのです。

アウトプットのおすすめは「ブログ」

初心者がアウトプットを行う場として、私がおすすめするのは「ブログ」です。とはいえ、ネットメディアにはブログだけでなく、SNSやメルマガなど種類も豊富で、私も目的に応じて使い分けています。

『結局、人生はアウトプットで決まる 自分の価値を最大化する武器としての勉強術』(実務教育出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

最近、私はピースオブケイクの運営する「note」というサービスで新しくブログを始めました。noteを選んだ理由は、ブログとしてのUI(ユーザー・インターフェイス)が優れているのはもちろん、記事の有料化が簡単にできるなど、ユーザーがアウトプットを続けやすくする工夫が随所にほどこされているからです。

また、良質な記事を書くと運営の方々が直接宣伝してくれるなど、サービスを一生懸命売り出そうと奮闘しているようです。ブログの巨大プラットフォームであるアメブロには規模で劣るものの、濃いファンがつきやすいように、発信者が世に出やすいようにバックアップしてくれる可能性は高いと言えます。

ブログが私にとってかけがえのない財産になっているように、アウトプットの貯金は財産になります。その財産を預けるわけですから、「そのサービスがどれだけ長く続いているか、また今後も続いていくかどうか」というのは、意外と重要な視点です。お金を預ける銀行や投資に使う証券会社の選び方と似ているかもしれません。

中島 聡 Singularity Society代表

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なかじま さとし / Satoshi Nakajima

1960年生まれ。米国シアトル在住。早稲田大学大学院理工学研究科修了。米ワシントン大学でMBAを取得。早稲田大学大学院修了後、NTTの電気通信研究所に入社し、わずか1年で設立間もないマイクロソフト日本法人へ転職。3年後、米国本社へ移り、Windows 95、Windows98、Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。現在は、シンギュラリティ・ソサエティ(2018年8月設立)代表理事としてAI時代をリードできる人材育成に取り組む。著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(文響社)。

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