今やインネパ店には、「チョコレートナンやハニーチーズナン、さらにはめんたいこナンやあんこナンを出す店もあります」と小林氏。「最近はインド料理だけでなく、タイ料理やベトナム料理を出すインネパ店もよく見ます」。
インネパ店の中にはクオリティの低い店や、短期間で閉店してしまう店も少なからずあるが、反対に多くの顧客の支持を得て、次々と支店を出す繁盛店もある。
「たとえばイオンモールや、東京駅近くの有名駅ビルなど、普通にはなかなか入れない商業施設に入るインネパ店も目にします。先日納品に行ったお店は、大きなショッピングモールの1階の一等地に、100席以上もある巨大な店舗を構えていました」(小林氏)
居酒屋メニューやホッピーまで
インネパ店には、こんな裏技的な楽しみ方もある。その一つが、「居酒屋使い」だ。カレーとお酒は一見合わなそうにも思えるが、それを補って余りあるのが、魅力的なサイドメニューだ。
「居酒屋で働いた経験のあるネパール人が手がけるお店が意外と多く、そういう店には、梅きゅうりやひざ軟骨揚げ、レモンサワーといった居酒屋メニューがあったりします。時にはホッピーを置いていたりも。お国柄、インド人よりネパール人のほうが、酒飲みが断然多いためか、“飲める”メニュー展開であることが多いんです。価格もリーズナブルです。
またネパール人ということでモモ(ネパールのスパイシーな餃子)やチョエラ(肉のスパイス和え)といったネパール料理を出す店もあり、そちらもつまみとして最高です。それと意外にも、インネパ店をファミレス的に使う子連れのママさんたちも見かけます。ネパール人の多くは子どもの騒ぎ声や長居に対して寛容なので、気軽にママ会などを行えるのでしょう」(小林氏)
インド料理やスパイス料理の入門店として、そして多様な使い方ができる店として、数を増やし続けるインネパ店。その間口の広さと使い勝手の良さを踏まえると、まさに“インド料理界のファミレス”ともいうべき存在なのかもしれない。もちろん、ストイックに味を追求する店もある。何れにしても、そうしたローカライズをネパール人が担っているのが、とてもユニークなところだ。
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