アリババが資生堂と世界初タッグを組んだわけ 「アリババ経済圏」入りで中国市場攻略の成算

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資生堂にとってもアリババとの戦略提携は魅力的だ。資生堂の海外事業売上高のうち、中国事業の割合は17.4%を占め、もっとも割合が高い。2018年12月期の中国事業の売上高は1907億円(対前年比32.3%増)、営業利益は245億円(同116.4%増)と絶好調だ。

資生堂の中国事業のうち、約3割がeコマースでの売り上げ(2018年12月期)だが、資生堂は中期経営計画で2020年12月期までにこの比率を4割に引き上げる目標を掲げている。アリババのビックデータを活用し、同社専用商品を売り出すことは、この目標到達への大きな後押しになるというわけだ。

アリババ経済圏に資生堂も参画する

資生堂の魚谷雅彦社長は「アリババはデータを基に、大きな経済圏を作っている。そこに私たちも参画し、新しい商品やサービスを提供したい」と強調する。

中国では、資生堂以外の日本メーカーが展開する日用品や化粧品ブランドも人気がある。たとえば、2018年の独身の日セールで、輸入品ブランドで販売上位にランクインしたユニ・チャームや花王などだ。

陳曦氏は「資生堂の戦略連携オフィスは、日本だけでなく世界的に注目されている。これから他の企業とも、同じような戦略連携オフィスを作るかもしれない」と話す。

アリババにとっては、人気が根強い日本製ブランドをさらに取り込んでいきたい思惑もあるようだ。一方で、資生堂以外の他社と同様な戦略連携オフィスが増えていくと、資生堂にとってはアリババとの販売戦略の優位性が薄れてしまう懸念もある。両社の連携がどう発展していくのかに、資生堂の中国戦略の成否がかかっている。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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