「実家の親」を苦痛でしんどく感じる本当の理由 ポジティブな関わり方ができない人たちへ

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幼い頃、子どもは自分の親が、誰よりも立派だと信じていました。自分よりも聡明だと信じ、親の言うことは、すべて正しいと思っていました。とても立派で偉大な人物に見えていました。ところが、子どもが成長して物事を判断する目が育つと、次第に幻想の皮が剥がれていき、親の実体を知るところとなります。

それにもかかわらず、親は相変わらず、親の権威を振りかざそうとするため、摩擦が起こります。支配的な親ほど、なおも従わせようとするでしょう。

その一方で親は、自分の方法がまったく子どもに通用しなくなったことに愕然とします。これまでの自分の地位を確保できないことに不安を覚え、反抗的な素振りを見せる子どもに苛立ちを覚えます。そのような親は、子にとって、すでに「わかり合えない」関係になっているのかもしれません。

ただし、親子の問題は、本当は、2人だけの問題というわけではなく、家族全体の問題でもあります。そしてその大元は、夫婦関係です。夫婦が夫婦として「わかり合えない関係」なら、親子関係もわかり合えない関係となりやすいでしょう。

夫婦がわかり合えない関係であれば、親の関心はより子どもに向かいやすくなるでしょう。夫(妻)はダメでも、子どもであれば制御しやすくなります。母親の場合、子どもが息子か娘かで微妙に異なりますが、娘のほうが同性であるという点で、通じやすさや自分の延長線上にあるような気がすることから密着度が高くなりやすいでしょう。もちろんそれは共依存的にという意味においてです。

伝え合うコミュニケーションができない

そのような家庭では、感情的になって主張し合ったり、相手をまったく無視して会話すらしなくなったりというように、父親も母親も、健全でポジティブな関わり方やコミュニケーションの方法をとることができません。

なぜならそのような会話は、彼ら自身、したことがないからです。彼らは、相手のことを互いに「察し合う」コミュニケーション能力はあっても、言語で「伝え合う」コミュニケーション能力が乏しいのです。

互いに自分を強く主張して相手を論破するようなディベート的な会話を、コミュニケーションだと思い込んでいる人たちも少なくありません。異様に弁が立つ人、押しが強い人、人に話をさせないで一方的にまくし立てる人、相手に話す隙を与えない人、高圧的な物言いの人、いずれも、コミュニケーション能力が乏しい人たちの特徴です。それは「親しくし合う」「愛し合う」体験が乏しい人たちとも言えるでしょう。

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