コンビニオーナーがここまで苦しんでいる理由 FCとドミナント戦略のあり方が問われている

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一方のデメリットだが、やはり大きいのはリスクが集中してしまうことだろう。特定の地域に集中的に資本を投下した場合、その地域に災害や大規模火災など、壊滅的な被害が出た場合、より甚大な被害が生じる可能性がある。

さらに、最近の日本が直面している「人口減少」も大きなリスクになる。集中的に出店した特定の地域の人口が急速に減少した場合、単独で出店しているよりもはるかに大きな被害を受けてしまう。最近は、地方の中心市街地でも想定外の人口減少が進んでおり、新たに浮上したリスクと言っていいかもしれない。ビジネスは新時代に入ったと認識したほうがいいだろう。

ライバル店もしくはライバル企業が、さらなる大規模な展開をしてきた場合、あるいは代替商品を販売してきた場合も、対応が難しくなる。集中的に資本を投下しても、大資本がその2倍、3倍の資本を投下してきた場合、迎え撃つ側は全滅してしまう恐れすらある。

リスクを分散するという観点からすると、ほかのエリアでも出店しておきたいところだが、ドミナント戦略ではどうしても他エリアへの展開が遅れてしまう。これも、デメリットの1つと言っていいだろう。

同じ店舗同士で競合するため、先に出店していた店舗が利益を減らし、顧客を互いに奪い合うこともドミナント戦略の大きなデメリットだ。今回のセブン-イレブンの問題でも大きくクローズアップされた。

マーケティング用語でいうところの「カニバリゼーション(共食い)」と呼ばれるリスクだが、綿密に計算された出店計画でなければ共倒れを招く。ドミナント戦略では、しばしばみられる現象と言っていい。

こうしたドミナント戦略の失敗については、実はすでに歴史がある。2012年には、国会でコンビニのドミナント戦略のリスクが取り上げられている。

セブンとスタバの違いは「フランチャイズ」?

いずれにしても、スターバックスはアメリカでドミナント戦略によって急成長し、日本でも着実にその店舗戦略を拡大している。エリア内に店舗が集中するために、配送ルートを効率化することができ、しかもスタバのトレードマークが街中にあふれる。

同様の戦略は、ファミリーレストランやスーパーマーケットでも実施されており、例えばスーパーマーケット業界は、埼玉県や東京郊外で集中的に出店することで店舗網を拡大させているところが多い。ドミナント戦略が成功しているケースと言ってもいいかもしれない。

では、なぜセブン-イレブンのドミナント戦略は壁にぶち当たったのか……。

原因は数多くあるのだが、セブン-イレブンはスタバとは違って「フランチャイズチェーン」の一環としてドミナント戦略を導入している。スタバはその大半が直営店だが、セブン-イレブンはリスクの大半を「フランチャイジー」であるコンビニオーナーに委譲するビジネスモデルと言っていい。

フランチャイジーのコンビニオーナーを多額の違約金で縛り、365日24時間を前提とした営業時間の変更や廃棄品の安売りといったビジネスの裁量権もほとんどオーナーに与えていない――外部から見ると、そんな印象が強い。

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