回転寿司「1皿100円でも儲かる」カラクリの要諦

「お子様向け商品」を拡充する深いワケ

それこそが、回転寿司が儲かる仕組みで、ようするに、子どもの客を増やせばいいのだ。子どもが原価率の低いネタをたくさん頼めば、ウニやマグロの注文で高くなりつつある原価率を下げられる。ただし、子どもは1人では来られないので、ファミリー層を狙う。

回転寿司店が郊外や新開発の住宅地などに立地することが多いのは、そこに若いファミリー層が多く住んでいることが多いからだ。広い駐車スペースを併設するのも、そうした若い親子連れや3世代連れの利便を考えてのことで、家族もろとも子どもを呼び込む作戦といえるだろう。

家族連れなどの客が入店した後も、回転寿司では、儲けを出すためのさまざまな工夫がなされている。回転寿司店のファミレス化などということが近ごろ言われているが、まさにそのとおりで、回転寿司が出現したばかりの頃に比べるとメニューは格段に多様化している。

それも、子どもに向けた多様化で、ポテトフライや唐揚げ、ラーメン、デザート類が豊富にラインアップされている。しかも、ラーメンやハンバーグ、デザートなどは、子どもに人気だが、それらの値段を寿司よりは少し高めに設定して、少しでも儲ける仕組みを徹底している。

回転寿司業界の「次の狙い」

さて、例えば、ある回転寿司店の原価構成が、材料費=40%、人件費=30%、諸経費=25%で合計95%とする。そうなると利益はわずかに5%。もう少し利益率を上げたいが、材料費は下げられない。

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そこで、次はその人件費をなんとか抑えようとする工夫が必要になってくる。その1つが、寿司店でありながら寿司職人を置かないこと。ほとんどの店でシャリをにぎるのはロボットで、それに加工済みのネタをのせるだけというシステムをとっている。注文取りも今ではタッチパネルで行うのが当たり前だ。これは人件費の抑制と同時に廃棄ロスを少なくして、コストを節約するという効果もある。

ここまで示したように、回転寿司が儲かる理由は1つではない。郊外に駐車場完備で立地し、子どもと家族連れを呼び込む。寿司職人の代わりにロボットでにぎる、タッチパネルで客に「食べたいネタを注文させる」など、その工夫はさまざまだ。こうした工夫を組み合わせた「総合力」こそ、回転寿司の「儲ける力」になっているのだ。

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