大胆予測!2025年に起こりうる金融の大変革

フィンテックを軸に描く近未来ストーリー

アマゾンゴー四谷店には、スマホのQRコードをかざして入店する方式と顔認証だけで入店する方式の2種類のゲートが用意されています。顔認証だけで入店するという、よりスピーディーな方式にするかどうかは利用者の判断に委ねられています。

キャッシュレス決済という視点から見ると、前者はIoT決済、後者は顔認証決済です。最近では企業側もプライバシーに配慮し、どのような手段で決済するのかは利用者の判断に委ねられるようになってきているのです。鈴木さんは、アマゾンゴーでの支払いについて、自分のアマゾン銀行の口座からの自動引き落としを利用しています。決済通貨は、アマゾンが自社経済圏で使用されることを目的として発行している独自通貨「アマゾンコイン」が使われています。

アマゾンではアメリカに続き日本でも3年前からデジタル銀行を設立し、すでに多くの人がEC・リアル店舗での支払いや日常生活の支払い手段として使うようになってきています。「銀行取引していることを感じない快適な体験」をモットーとしているアマゾン銀行では、リアル店舗は一切ないことも大きな特徴となっています。

キャッシュレス化によって実現する社会の自動化

鈴木さんは今日のランチに500円のサンドイッチと150円のペットボトルのお茶を選び、それを手にして、ゲートから「ただ立ち去る」だけで買い物と決済を終えました。2年前まで駅の反対側にあった通常のコンビニは、ランチ時にはレジ待ち10人以上は当たり前の状況でしたが、アマゾンゴーでは混雑時に行ってもつねに「ただ立ち去るだけ」のスピーディーさです。

しかも同店舗にあるサンドイッチの味は、近隣の洋食屋や喫茶店で出すものと比べても遜色ありません。おいしさの秘訣は、店舗のバックヤードで手作りしていることにあります。値段や手にするまでの時間を考えると、とってもお得なのです。

鈴木さんはアマゾンゴーを出ると、店舗前に停車していたライドシェア会社リフト(Lyft)の自動運転タクシーに乗り込みました。日本では同社に出資している楽天との提携によって運行されており、鈴木さんはこちらの決済には楽天ペイを使いました。なお、鈴木さんは6年前に株式上場を果たしたリフトを企業としても評価しており、貯まっていた楽天ポイントを原資として、楽天ペイとアプリ内で連携されている楽天証券を使って、リフトに小額株式投資も行っています。その支払いと運用は、独自通貨である「楽天コイン」によるものです。

日本では2020年の東京オリンピックを契機として自動運転車が限定的に許可されましたが、2025年4月時点においては「自動化」がかなり広がっています。QRコード決済やアマゾンゴーのようなIoT決済などのキャッシュレスが広がるとともに、日本でも「自動化・無人化」やシェアリングが広がってきました。支払いの部分がキャッシュレスで無人になることは、他のサービスが自動化されるための前提なのです。

鈴木さんが自動運転タクシーで向かった先は四谷3丁目にあるコワーキングスペース&シェアリングオフィスのウィワーク(WeWork)です。ソフトバンクグループが10兆円ファンドから出資している企業が運営するものですが、2018年12月の通信会社ソフトバンクの上場を契機として、同グループではウィワーク事業に日本でも力を入れ、現在では300カ所以上の展開となっています。

鈴木さんは、コワーキングスペースで13時30分から開かれる「クリエイターのためのマーケティング入門講座」に参加するために訪れましたが、その前にオープンスペースでアマゾンゴーで調達したランチを食べることにしました。ウィワークの特徴は、オフラインでのリアルなオフィススペースとリアルなコミュニティーの提供、そしてオンラインでのコミュニティーの提供です。副業だけではなくパラレルワークやいくつもの仕事を同時にこなす人が増えてきた中で、リアルなつながりを求める人にも人気を集め、現在ではオンラインコミュニティーの登録会員数は300万人を突破しています。

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