カー用品2強が失速! 成熟市場でも地場流通は元気、大手の誤算とは《特集・流通大乱》

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 広島地盤のカー用品店、モンテカルロは、経営不振が表面化した06年度ごろから事業のスリム化と、販売現場改善を進めてきた。08年には、赤字が続いた自社ブランド商品の開発と社外への卸売事業を大幅に縮小。ガソリンスタンド経営からも撤退し、本業特化を鮮明にした。一方で、既存店舗には新しい店舗管理システムを導入。「毎時間単位での厳格な粗利管理ができるようになり、現場主体でよく行われていた値引き販売も抑制できた」とモンテカルロの森田映一社長は効果を説明する。

営業面でも08年からは生協ひろしまや、ゆめタウンなどのカードと提携した割引サービスを開始するなど、地場の小売業者との連携を強化させた。「事業効率化と地域密着型の営業改革が実を結んだ」(森田社長)結果、直近の08年9月期中間期業績は、営業利益で前年同期1・8億円の赤字から7000万円の黒字にまで浮上している。

また、東北地盤でタイヤ、ホイール販売中心のフジ・コーポレーションは、8期連続増収増益を続けている。同社は数年前から、40代以上の男性をターゲットに、4本で20万円以上する高級タイヤを前面に打ち出した店づくりを強化してきた。4本で10万円以下のタイヤを大量販売する競合とは一線を画し、高価格帯商品を大量に仕入れ、その分値段を安く設定し、ニッチな顧客層を引き付ける商品戦略が奏功している。

もちろん、大手2社も手をこまぬいているわけではない。

イエローハットは08年夏に赤字だったホームセンター事業から撤退した。オートバックスもノンコア事業からの撤退方針と、主柱の国内カー用品販売への回帰を打ち出している。「PB商品の開発強化や販売員の教育・研修制度見直しなど、国内戦略を再検討しているところ」と住野耕三オートバックス執行役員は説明する。不採算部門の撤退、地道な売り場改善で利益を捻出していくことこそが、まさに今、大手に求められていることだろう。

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(週刊東洋経済)

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