ブラジルはインフラ投資が決定的に不足している
ムーギー:ブラジルというとBRICSの一角として注目されてきたが、ここ数年は経済成長の鈍化が際立っている。その原因は何か?
ダニエル:本来5-10%成長できるのに1%にとどまっているのはインフラが酷いからだ。空港で荷物待つのに1時間、港についた商品を運び出すのには1か月くらいかかる。とにかくインフラが不足しており、それに対する投資もなされていない。
私はブラジルのインフラ投資を促進させたい。海外の投資家の皆さんにもぜひブラジルのインフラ投資をお勧めしたい。あまりにも未発達なだけに、追加投資あたりのリターンが大きいと思う。現状ではどれだけ貿易が進んでも、ひたすら荒廃した不効率な港湾にいつまでも荷積みされているので、経済がよくなるわけがない。
ブラジルは左派政権の下で経済が失速?
ムーギー:この混乱するブラジル政界だが、その混乱が収束する糸口は見えるか?
ダニエル:2014年に選挙があるが、大して変わらないだろう。結局は投票のためにいろいろ民衆の歓心を買う金品を配るような、バカな指導者が選ばれるので、レベルの低い政治はしばらくこのまま続くだろう。
ブラジルは右派政権の下で経済が大きく成長したが、左派政権の下で調子が悪い。経済成長は続いているが、これは政府の失策と無策にもかかわらず伸びただけで、政権による政策の恩恵ではない。ブラジルはまだまだ、貧しい。
ムーギー:貧しいという割にポルシェとか高級外車が街中に溢れているイメージがあるが。
ダニエル:確かにラグジュアリーカ―にとって大きなマーケットではあるが、ブラジルは貧富の差も激しく皆が買えるわけではない。また我々は貯蓄せず、無理してでも消費しようという傾向がある。これもあって過去に何度も極端な経済問題を抱えてきた。
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