政治家の「あきれた失言」が生まれる根本背景 続けて2人辞任、ビジネスマンも他人事じゃない
4月5日に塚田一郎国土交通副大臣が、10日に桜田義孝五輪担当相が、失言の責任を取って辞任しました。
それぞれ問題となったのは、塚田国交副大臣が、安倍晋三総理と麻生太郎副総理兼財務相の地元を結ぶ道路事業を「忖度した」という発言。桜田五輪相が、「復興以上に大事なのは高橋(比奈子衆議院議員)さんだ」という発言でした。
塚田国交副大臣は、いわゆるレッドカード(一発退場)の失言であり、桜田五輪相はその前日にも「(被災地の宮城県石巻市を)いしまきし」と3回も言い間違えるなど、イエローカード(2枚で退場)だった様子がわかるのではないでしょうか。
新年度がスタートしたばかりなのに、早くも2人が失言で辞任という異常事態。ネットの発達で多くの情報にふれ、みずからも発信するなど、人々の目が厳しくなる中、なぜ政治家たちは気をつけているはずの失言を発してしまうのでしょうか。
その理由をひもといていくと、企業のトップや管理職にも、当てはまるところが多々ありました。ここでは2人や政権を糾弾するのではなく、ビジネスパーソンが失言を避けるためのポイントにクローズアップしていきます。
一人称の発言が増えたら失言に要注意
まず注目したいのは、失言が生まれてしまう背景。
塚田国交副大臣の失言は、北九州市で開かれた福岡県知事選挙の候補者による集会で発せられました。ポイントは、「安倍総理と麻生副総理の地元である道路事業」と言及したうえで、「私はすごく物わかりがいい。すぐ忖度する」「今回の予算で国直轄の調査計画に引き上げた」と発言したこと。
のちに「大きな会合で雰囲気にのまれた」と釈明しましたが、だからこそ顔をのぞかせたのが自尊心の高さ。それが安倍総理と麻生副総理という大物の名前を引き合いに出したうえで、「“私は”すごく物わかりがいい」という一人称につながり、さらに「(私が)国直轄の調査計画に引き上げた」と手柄を誇示したのでしょう。
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