33歳、極めて独創的な「文様」で稼ぐ男の生き方 意味を重ねた物語がつながって広がっていく

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「童話やおとぎ話を見せてくれるのと同時に、ホラー映画やアダルト向けの本など、エロ・グロ・ナンセンスな作品も小さな頃から見せてくれましたね。

たまにちょっと変わった行動をする母親でしたけど、たくさん面白いことを教えてくれたので嫌いじゃないんですよね。母親とは仲良かったです」

基本的には好きなことをさせる、というのが母親の教育方針だった。ただ「その中に1つだけは、嫌なことを続けさせたい」と思っていた。

「その嫌なことがピアノでした。ピアノのレッスンは嫌で嫌で仕方なかったです。母親もピアノをやっているときはやたら厳しくて。

でも大人になった今、ピアノをやっていてよかったと思うことが本当にたくさんあります。おかげでバンドをやりましたし、今も音楽の仕事をいただくことがあります」

ある日、不思議な現象が起きた。

はじめてのナチュラル・トリップ現象

小学生の頃、ピアノを弾いていると、ピアノを弾いている自分が客観的に見えた。隣に座って、自分が演奏するさまを見ている。ものすごくうまい演奏で驚いた。

ピアノの音が粒子で見えた。ピアノからは粒子があふれ、粒子が空気と触れ合うとフワッと煙が出た。そして空気に色がつき、広がっていく。

「これはどうなってるんだろう?と思って5分くらい経ったら、急に元に戻りました」

母親が慌てて階段を上って部屋に入ってきた。

「あんた今、なに弾いてたん?」

と驚きの表情で聞いた。1階から階段越しに聞いていても、尋常じゃないテクニックの演奏だったようだ。

「はじめてのナチュラル・トリップ現象でしたね。今も作品を作るときはそのときの気持ちを忘れないようにしています」

小学校低学年のころは、近所の子どもたちとはなじむことができなかった。家の近くにいた、犬や猫とばかり遊んでいた。

その様子を見た、近所のおじいさんおばあさんがお菓子をくれたりした。

小学校高学年になると友達もでき始めた。

細かく描かれた美術作品が好きになった。フォント(文字のデザイン)が好きになり、好きな小説のタイトルを真似して机に描いたりしていた。

文様はいつの間にか自然に描き始めた。

「当時は文様についてしっかりした知識はなく、見よう見まねで描いていました。そんなとき、模様に関して、とある発見をしたんです」

小学校時代、アプスーさんは毎年1人で静岡県伊豆の戸田(へだ)という地域に旅行に行っていた。

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