「オレ本番強いから」と豪語する人が失敗する訳 むしろプレゼンで緊張する人のほうが有望
「オレ、緊張しないから。適当に話すよ」という上司の真似は、絶対にしてはいけません。緊張しない人は緊張する人の気持ちがわかりません。だから「場数を踏めば緊張しなくなる」とか、「リラックスすればいいんだよ」とか、「緊張なんて関係ない。手のひらに『人』と書いて3回のめばいける」とか、よかれと思ってアドバイスします。お酒に強い人が、弱い人の気持ちがわからないのと同じです。
緊張する人が事前準備せずに話すと、しどろもどろ、頭真っ白、緊張地獄に陥ります。だから「緊張して話せない」という人は、必ず話の構成を決めること。そしてどんなに短い挨拶でも、簡単に構成を決めたうえで話すことです。
「いつものあの話」でいいのです。緊張する人には、緊張する人向けの構成があります。構成を決めれば、才能を発揮することができます。事前に戦略を立てることです。
冒頭15秒が、ゴールデンタイム
まず冒頭の15秒に全力投球します。冒頭は緊張がピークに達しています。私は企業トップのプレゼンを多く見てきたためか、話し手が舞台を歩いてきて、最初の一声を聞けば、その日上手くいくかどうか、ほぼわかるようになりました。
聴き手は冒頭15秒で「今日は集中して聴くか、気を抜いて聞くか」を無意識に決めています。歩いてきて、第一声を聞けば「どんな話になるかすぐにわかるから」です。プレゼンは、まだ声を出していない段階から始まっているのです。
私は、舞台に姿を見せて→歩いて→第一声を出すまでの15秒を、「冒頭15秒のゴールデンタイム」と呼んでいます。言うなれば相撲の立ち合いのようなものです。
そして、あなたのプレゼン冒頭15秒のゴールデンタイムの立ち合いは、「服装」「笑顔」「歩く速さ」「第一声」で決まります。
服装の基本は清潔感。清潔感のない人は15秒で“瞬殺”されます。話術ではリカバー不可能なのです。スーツがシワだらけだったり、靴が汚れていたりしていませんか。
取材で見たある外資系の執行役員は、プレゼンのとき靴の先がパックリ割れて靴下が見えて、思わずのけ反ったことがあります。おしゃれである必要はありません。でもいくら話が上手でも、清潔感がないと台無しです。
表情は笑顔が基本。しかし緊張する人はどうしても無表情になりがちです。自分で笑っているつもりでも、笑って見えないことがほとんど。ですから無理にでも、冒頭15秒のゴールデンタイムだけは頑張って笑顔を出しましょう。「心が入ってない笑顔なんて不自然だ」「緊張して笑えるわけない」と思うかもしれませんね。でもそうではありません。笑顔になれば、心もついてきます。
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