独占!リクシル潮田、「瀬戸辞任」の裏側を語る

「瀬戸氏は3年間、経営をしていなかった」

イタリアの建材子会社の売却についても、アメリカの国防上の懸念があってダメかもしれないという話は、1年も前からあった。子会社の社長に話を聞くと、本当は(赤字の要因となった)アメリカの工事現場の改善をやるべきだったのに、(瀬戸氏は)売却の資料づくりばかりやらせていたという。結局、瀬戸氏は(社長就任から)3年間なんら経営していなかったということだ。

――潮田氏と瀬戸氏の間の意見対立とは、リクシルをMBO(経営陣による買収)して上場廃止し、シンガポールへ本社を移転することだったという報道がある。

企業価値を上げるのは、持ち株会社の取締役の責務。この(株価の)状況だから、私が1年間、特命執行役に戻って、何ができるかをすべて列挙した。(旧トステム系のホームセンターで2017年に上場した)LIXILビバのような子会社上場、MBOもそうだ。その中でどれが一番、株主に対して評価を得られるか、徹底的に議論した。

瀬戸氏との間で、見解の相違はあったと語る(撮影:梅谷秀司)

議論は(特命担当である)私のプロジェクトでやっただけで、取締役会ではやっていない。(本社を)シンガポール、香港(に移転する)とか、MBOとかは数ある中のひとつだ。議論した内容について、2~3カ月に1回、瀬戸氏を交えて話をしてきた。だが、彼はその話に全然乗ってくれない。こういう状況(株価)だよと言っても、「法的にどうだ」とか「税金がかかる」とか枝葉末節な話をする。税金を払ってもいいから10年先、20年先のことを考えなければいけないのではないか。そういった意味での見解の相違はあった。

株主に新しい中期計画を判断してもらう

――従来は瀬戸氏が持ち株会社と事業会社リクシルのCEOを兼務していた。辞任後、社外取締役である山梨氏が事業会社のCEOに就いた理由は。

昨年10月の交代会見でも言ったが、私は持ち株会社と事業会社の経営者を分けるべきだという立場だ。だから、事業会社を統括する人がいる。その適任が山梨氏。彼は頭のいい人で、マッキンゼーやイオンでの経験がある。

藤森氏や瀬戸氏のように1人が全部の事業の意思決定するような、すべてを賭けてイチかバチかというのはやめて、従来のように、持ち株会社は事業会社やブランドごとに権限を与え、責任取るやり方に戻そうという議論が指名委員会であった。

昨年9月から次の経営者のアセスメントとして、指名委員会の5人が主要子会社や事業の統括者を7~8人インタビューしている。今の人材ならここまでできるなという認識が指名委員の間で共有されており、その状況に山梨氏が(事業会社のトップとして)乗るなら、今より良くなるだろうという確信がある。

――例年だと、3月下旬に指名委員会が定時株主総会の人事案を公表するが、今年はまだ出ていない。

5月の連休明けの決算あたりに発表するらしいが、私は指名委員会の委員じゃないからわからない。

――今後の経営計画はどうなるのか?

連休明けの5月13日に決算発表を予定している。その時に2020年3月期の見通しと、(今後)3~5年(間)の新しい計画を発表する。その内容によって(瀬戸氏の経営案と比較して、どちらを選任するか)株主に判断してもらう。

「週刊東洋経済プラス」では1万字全文インタビューを掲載しています
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