「潮田はノー」、リクシルに投資家が解任要求

臨時株主総会でガバナンスをただせるか

機関投資家から「ノー」を突きつけられた、LIXILグループの潮田洋一郎・会長兼CEO(2019年1月、記者撮影)
LIXILグループ(以下リクシル)の不透明なガバナンスに対し、機関投資家がついにしびれを切らした。イギリスのマラソン・アセット・マネジメントやポーラー・キャピタル・ホールディングスなど機関投資家4社は3月20日、共同で「リクシルに対し、臨時株主総会の招集請求を行った」と発表した。
同社では2018年10月31日、社外から招聘した代表執行役の瀬⼾欣哉・社長兼CEOが突然辞任。後任には創業家の潮⽥洋⼀郎氏が会長兼CEOに復帰し、社外取締役の山梨広一氏がCOOに就任した。
その理由について潮田氏は、当時の会見で持ち株会社の必要性など瀬戸氏との「認識の違いが最後まで埋まらなかった」と説明したが、メディアや機関投資家は納得をせず、いらだちを募らせていた。
こうした状況を受けてリクシルは2月25日、外部の弁護士に依頼して行った報告書の要旨を公表。潮田氏が指名委員会に対して瀬戸氏が辞任する意向があるように説明したこと、瀬戸氏に対しては指名委員会の総意なので辞任するように促した事実を認定している(ただし、人事に関する取締役会の決議は有効とした)。
不十分な説明を続けるリクシルに対して、機関投資家4社はついに潮田氏と山梨氏の解任に動き出した。しかも、この動きに社内取締役の伊奈啓⼀郎氏も賛同して共同提案者に名を連ねている。目的は何か。臨時株主総会招集を主導するマラソンの高野雅永・東京事務所日本調査担当、ポーラー・キャピタル・パートナーズの小松雅彦・調査部長に聞いた。

見たこともないようなガバナンス

――これまでの経緯は?

高野氏:リクシルのCEOが瀬戸氏から潮田氏に交代する中で、いつくかガバナンスの問題があった。指名委員会のメンバーである潮田氏が自分自身を執行役に指名した。山梨氏は指名委員の委員長。これは見たこともないし聞いたこともないような違反だ。

(昨年の)12月17日に潮田氏と山梨氏から機関投資家向けの説明があった。CEO交代の理由として、潮田氏は「瀬戸氏のCEOとしての力量があまりにもひどかった。会社のバリューを大きく毀損するので解任に至った。(指名委員がCEOになることは)ガバナンスに問題あると思ったが、緊急性から踏み込んだ」と説明した。

本当かなと思うところがあり、取締役会と指名委員会の議事録の開示を要求したが断られた。そこで2人以外の社内外の取締役に質問状を送ったが、「1月の取締役会で返事をするかどうかを検討する」と返事があった後は、なしのつぶてだった。

その後、2月25日に外部弁護士による経緯や手続きの検証結果が出た。内容は18ページあるものをリクシルが個人情報と会社の機密を除いて8ページに縮めたものだ。この内容が事実だとすると、潮田氏が二枚舌で、誤解、ミスリードした形だ。

3月7日の機関投資家向け説明会でも、社外取締役の川口勉氏は、瀬戸氏の経営手法に疑問があったと繰り返した。だが、報告書に(深刻な意見対立があったと記載はあるが)それについては書かれていない。

次ページ投資家との対話もないがしろ
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 今見るべきネット配信番組
  • コロナ後を生き抜く
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「説得力のある話ができる人」と「説得力のない人」の差
「説得力のある話ができる人」と「説得力のない人」の差
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT