結論は3年後?意見百出の上場基準見直し

早期見直し論者の清田CEOはトーンダウン

日本取引所グループの清田瞭CEOは、上場・降格の時価総額基準について、「今、これといった数字を念頭に置いていない」と話す(2018年11月撮影:大澤誠)

東京証券取引所の市場区分見直しの大きな骨格が明らかになった。2018年10月から集中的に議論やヒアリングを重ねてきた東証は3月27日、「市場構造の問題と改善に向けた論点整理」と題する報告書を公表した。

株式市場はこれまで、東証1部、同2部、マザーズ、ジャスダックの4市場あったが、今後数年間程度の移行期間を経て、新たなコンセプトに基づいてA市場、B市場、C市場(いずれも仮称)の3市場に再編成される。

東証が今回示した新たな上場基準の考え方は、「A市場に上場できるかどうか」が出発点になる。A市場に上場できるのは、「一般投資家の投資対象としてふさわしい実績のある企業」。要は、現在の東証1部や2部に上場している企業のイメージだ。ガバナンス体制、株式の流動性、利益水準、市場評価(主に時価総額)などの基準(一定の上場基準)をクリアしていれば、このA市場に上場できる。ただし、具体的な数値基準はまだ決まっていない。

AかCか、企業が上場市場を選ぶ

A市場の基準を満たしていなくとも、ベンチャー企業ならばB市場(高い成長可能性を有する企業向けの市場)に上場できる。B市場にも一定の上場基準があるが、A市場よりは緩和された基準になる見込みだ。たとえば、赤字でも資金調達を可能にすることが想定されており、B市場への上場基準はかなり緩和されるものとみていいだろう。ただ、A市場の基準を満たしていない会社のうちベンチャー企業でない会社や、B市場の基準を満たさないベンチャー企業はB市場に上場できない。

A市場の上場基準を満たす会社のうち、C市場(国際的に投資を行う機関投資家をはじめ広範な投資者の投資対象となる要件を備えた企業向け市場)の一定の上場基準も満たしていれば、A市場かC市場かを上場企業が選ぶことができる。あくまでも「上場企業が自ら選ぶ」という点がポイントである。

C市場に上場するのは、現在の1部上場企業のうち海外投資家の株式保有比率が高い企業が想定されている。最上位の市場はこのC市場になる。現在東証1部に上場している企業は全社がC市場を目指しそうなものだが、東証幹部によれば必ずしもそうではないという。

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