独占!リクシル潮田、「瀬戸辞任」の裏側を語る 「瀬戸氏は3年間、経営をしていなかった」

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また、全文で「10月26日の指名委員会の終盤において、瀬戸氏の辞任の意思の有無を改めて確認する必要があると考え、その結果、潮田氏が早急に瀬戸氏の意思確認を行うこととなった」とある。

つまりリコンファーム(再確認)しなさいとなっている。瀬戸さんが(辞めると)言っちゃったから、(私が)言質をとって、「もう決まり」と言ったわけではない。その意味においてミスリードしたわけではない。また、取締役会の前の段階で瀬戸氏が「きれいに辞める方法」(2019年3月末までリクシル社長に留任し、同年6月の定時株主総会まで取締役に留任すること)まで合意されている。

潮田洋一郎(うしおだ・よういちろう)/1953年、トーヨーサッシ創業者である潮田健次郎氏の長男として生まれる。1977年にトーヨーサッシ入社、1980年同社取締役就任。2001年、INAXトステム・ホールディングス(現・LIXILグループ)発足に伴い、同社副社長に就任。2006年~2011年、代表取締役会長兼CEO。特命執行役を経て、2018年11月に代表執行役。(撮影:梅谷秀司)

――全文には、旧トステム創業家である潮田氏に対する遠慮があったと書かれている。

リクシルは(指名委員会等設置会社として)日本でもっとも先端的なコーポレートガバナンスになっている。実は、私の親父(旧トステム創業者の故・潮田健次郎氏。トステムを業界最大手に育て上げた)の時代はそうじゃなかった。取締役会で反対を言える人がいなかった。

ガバナンスというのは経営者を辞めさせること。「辞めたら」という人がいるから、トップはアクセルを踏める。自分に対して反論を言う人がいないと、怖くてアクセルが踏めなくなる。現に、(前々社長の)藤森氏、瀬戸氏を交代させている。(ガバナンスの)設計としては、おおむね意図通りに進んできた。

――しかし、機関投資家はガバナンスの観点から、瀬戸氏を辞任させた手続きがよくないとして、潮田氏と現社長兼COOの山梨広一氏の解任を求めて臨時総会の開催を要求している。

あの(2月25日に開示した要旨の)報告書をみると、そう見えるのは大変申し訳ない。(臨時総会を請求した機関投資家が)言っているのは、意思決定のプロセスが強引で、ウソに基づいて行われて、ミスリードされたという話。だが、全文の報告書を読めば、一方的にミスリードされていないことがわかる。投資家の見方も変わってくるのではないか。

瀬戸氏は「良い経営者」だったのか

――6月の定時株主総会に向け、瀬戸氏が自分自身を含む8人を取締役に選任する人事案を示した。

それはこれから取締役会か指名委員会が論議する内容なので、よくわからない。1つだけ言えるとすれば、この(瀬戸氏が社長在任中の)株価を見れば、瀬戸氏が含まれるのは、どういうことなのかなと思う。

潮田氏は、事前に用意していた株価チャートを持ち出し、瀬戸社長時代の株価が日経平均株価を下回ることを強調した(記者撮影)

結局、問題が多かったと思っている人が多いから、今回の結論に至った。もし、まったく問題がなくて、良い経営者だと思っているのであれば、誰も(瀬戸氏辞任の人事案に)賛成しない。

――瀬戸氏の経営の何がまずかったのか。

彼の話はいつも同じ。品種を減らして、工場の生産性をあげれば、3~5年後に20億円の効果が出ますという。でも、論議している規模は何百億円の話だ。

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