独占!リクシル潮田、「瀬戸辞任」の裏側を語る 「瀬戸氏は3年間、経営をしていなかった」

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「社長と会長が話しているときに、(辞めると話したことは)冗談です、はありえない」と話すリクシルの潮田洋一郎会長兼CEO(撮影:梅谷秀司)
インタビューに応じた潮田洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)に追い詰められた様子は微塵もなかった。
機関投資家らによるCEOとCOO(最高執行責任者)の解任要求、前社長兼CEOの瀬戸欣哉氏からは株主提案――。ガバナンス問題をめぐってLIXILグループ(以下リクシル)が揺れている。
リクシルは4月9日、昨年10月に起きた瀬戸氏のCEO辞任の経緯に関する弁護士の調査報告書の全文(17ページ、一部は機密事項として省略)を公表した。2月に発表された要旨(8ページ)からは、指名委員会のメンバーでもあった潮田氏の誤解を招く言動から瀬戸氏の辞任に至ったと読めるが、全文の内容はそれとは少し違うニュアンスだった。
要旨によると、以前から潮田氏と瀬戸氏の間に経営をめぐる深刻な意見対立があった。そして、瀬戸氏が地位に執着するつもりはない趣旨で辞意を口にしたことがあったが、潮田氏が指名委員会に対して瀬戸氏が辞任する意思があるように説明し、瀬戸氏に対しては指名委員会の総意なので辞任するように促したことなどを事実認定した。
一方、調査報告書の全文では、業績不振なのに瀬戸氏が十分な施策を講じていないと危機感を持った潮田氏が交代に踏み切ったことや、人事案の決議に瀬戸氏は反対したが、決議を取る前に「潮田さんがやられるのであれば、引き継ぎできるようにベストなトライをします」という趣旨の発言があったことなど明らかになった。また、今回の人事でガバナンスを利かせた議論ができていなかった原因の一つとして、社外取締役を含めた多くの取締役に「潮田氏に対するある種の遠慮があった」と指摘している。
昨年のトップ交代から現在に至るまで、潮田氏はどのように考えているのか。以下は潮田氏への独占インタビューだ。(「週刊東洋経済プラス」では有料会員向けに1万字全文インタビューを掲載しています

瀬戸氏の解任決議は有効だ

――このタイミングで報告書の全文開示に踏み切った理由は何か?

(機関投資家など)大株主から詳しい説明を聞きたいと言われており、4月9日に臨時取締役を開いて全会一致で公表を決めた。

この全文にもあるように結論は明確で、「決議の有効性に疑義を差し挟むべき瑕疵が存在したとは認められない」とある。CEO及び代表執行役の選任、解任はあくまで取締役会の権限と責任において行われるもので、(人事の決議は)有効だということ。

――報告書には、潮田さんが指名委員に対し、瀬戸氏が辞任する意思があるような誤解を与える言動をした旨が書かれている。

社長と会長が話しているときに、あれ(辞めると話したこと)は冗談ですっていうのは、ありえないですよね? 私は本当だと思った。

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