湯沢の新築3000万円物件が「ほぼゼロ円」の現実 凋落する「バブル時代のリゾートマンション」

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それで、管理費や修繕積立金、固定資産税を払ってもらえない管理組合や湯沢町が困ることになる。結局、管理組合が競売にかけるか、湯沢町が公売に付すしか手はなくなる。しかし、そこで落としてくれる善良な一般人がそうやすやすと現れるとも思えない。

このような悲惨な状態であり、なおかつ悪質な業者の魔の手に晒されているにもかかわらず、湯沢町にあるリゾートマンションの管理組合は公平に見てよくやっていると思う。

管理費滞納などで競売にかけた場合、管理組合で落札するケースが多くなった。1万円で競売に出された物件を、20万円で落札する場合もあるという。普通の手段では住宅を購入することも賃貸することもできない反社会的な人々などが競落するのを防ぐためである。

また、湯沢町では、マンションの理事長の連絡会議のような組織があり、行政や警察と協議する場が設けられたりしている。かつて、湯沢町の管理組合の連帯組織は、宅建業の所管官庁である新潟県と粘り強い交渉を行ったという。

管理組合が自分たちのマンションの住戸を競落して第三者に転売する行為を、「宅建業法の規制外である」と認めさせた実績があるのだ。

湯沢町の秩序は保たれるのか?

あのバブル期とはいえ、リゾートマンションを購入した人はそれなりの富裕層である。その多くは親から資産を受け継いで富裕層になったのではなく、自らの才覚と能力でリゾートマンションを購入できる富を築いたのだと推測する。そんな彼らが、管理組合を運営する第1世代になっている。

そういうタイプの人々というのは、仕事もできるし頭脳も優秀だ。彼らが管理組合を運営しているから、湯沢町のリゾートマンションではいまだに秩序が保たれているのだと、私は考えている。

しかし、バブルの絶頂から約30年が経過した。40歳で購入した人は今、70歳になっているはずだ。あと10年で80歳。第1世代が築いた管理組合運営のノウハウは、第2世代以降に引き継がれるだろうか。あるいは、第2世代と呼ばれる人々は存在するのか。

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2015年の11月、湯沢エリアのあるタワーマンションで、修繕積立金の横領事件が発覚した。長年理事長を務めていた人間が、7億円以上の修繕積立金を着服していたことがわかったのだ。

そのマンション、今では発覚当時の1割程度まで流通価格が下落している。事件後、一時的に管理組合の修繕積立金会計はほぼゼロになったはず。そういうマンションの資産価値が、通常どおりに評価される理由はない。

今後、湯沢エリアでこういう事件がまたいつ発生するかもわからない。また、築30年以上になる老朽マンションも多くなってきた。同時に、区分所有者も高齢化している。管理費や修繕積立金の滞納は増えこそすれ減るとは思えない。

彼らがどこまで廃墟化にあらがえるのか、今後の展開に注目したい。

榊 淳司 住宅ジャーナリスト
さかき あつし / Atsushi Sakaki

1962年京都府生まれ。同志社大学法学部および慶應義塾大学文学部卒業。1980年代後半からマンションの広告制作や販売戦略立案などを手がける。現在は、一般ユーザーを対象にした住宅購入セミナーを開催するほか、新聞や雑誌などに多くの記事を執筆。

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