妖怪ウォッチが「かつてない難局」を迎えた理由 ガンダムも陥った「多様な世代」を狙う難しさ

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「ごっこ遊び」と「収集」は、子ども向けアニメビジネスに欠かせない要素だ。かつてポケモンが確立したものの、やや人気が落ち着いていたこのカテゴリーに妖怪ウォッチはピッタリとはまったと言えるだろう。

しかもポケモンはゲーム機がないとその楽しみ方は限定的になるのに対して、妖怪ウォッチはゲーム機なしでも十分にその世界観を味わえる仕掛けを備えていた。しかし、遊ぶためのグッズがない状態が半年以上続いたことは作品にとって大きなダメージとなった。

そうこうしているうちに、ポケモンの反転攻勢が始まる。決定打となったのは2016年夏に日本でもサービス開始となった位置ゲーム「ポケモンGO」だろう。スマホ1つで遊ぶことができ、収集とごっこ遊びの要素も備えたポケモンGOは子どもだけでなく、スマホを所持する大人にまで人気を広げ、新たな社会現象となった。

この時点で妖怪ウォッチのグッズ流通は安定していたが、存在感は小さくなってしまった印象がある。しかし、それでもアニメの視聴率ランキングではポケモンと同等の状況を維持していた。作品の世界観とキャラクターの魅力が優れていたからと言えるだろう。

2018年に「突然の方向転換」

そして、2018年に始まったシリーズ第2作「シャドウサイド」は、それまで約4年・200話以上を重ねた前シリーズから、世界観やキャラクター設定を一新。

世界観やキャラクターが一新された「妖怪ウォッチ  シャドウサイド」の「ジバニャン」(画像:コロコロチャンネル【公式】【妖怪ウォッチシャドウサイド】亡霊番長 1話& 死者の乗る自転車 2話【1時間SP!!】

妖怪たちから可愛らしさはなくなり、妖怪本来のおどろおどろしさが前面に押し出されている。登場人物たちも成人した前シリーズの子どもたちとなり、年齢も小学校高学年から中学生と高めに設定された。

4年の間にユーザーの年齢は上がる。つまり妖怪ウォッチを卒業するユーザーが出てくるのだが、妖怪ウォッチはポケモンのように「より幅広い年齢層」をターゲットとする戦略に打って出た。

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