名鉄の「迷駅」、名古屋駅は4線化でもう迷わない 駅ビル再開発に合わせて地下も大幅改良

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それだけに、枇杷島分岐に関わる遅延が発生しやすいわけだが、近年、目立った遅延はとても少なくなっている。いかに名鉄が枇杷島分岐を克服して定時運転することにこだわってきたかが感じられる。

だが、そうはいってもすでに現状の名鉄名古屋駅が限界にきていることは間違いないだろう。下りホームの先頭側(岐阜・犬山側)は幅が狭く、犬山線優等列車の到着前には列に並ぶ人が壁際まで達し、改札から下りホームにやってきた人たちが足止めを食らう場面は珍しくない。

ホームの位置は大きく変わる

名鉄が発表した名鉄名古屋駅4線化計画の「現況」と「計画」の図を重ねてみると、4線化にともなって線路の配線だけでなくホームの位置が大きく変わっていることがわかる。ホーム中心でみると、現ホームから豊橋・中部国際空港寄りに100mくらいは移動しそうだ。

名鉄名古屋駅の現況と計画図。駅のスペースが大きく広がり、ホーム位置も変わることがわかる(名古屋鉄道発表資料を基に筆者作成)

また、現ホームは延伸を繰り返したことでカーブしており、とくに下り線はS字状になっているが、4線化するとホーム部分はほぼ直線になるように見える。また、島式2面のホームの幅は、現在の降車・特別車両乗降用ホームとほぼ同じくらいの幅を持たせているようにも見える。ただ、ホームドアが設けられるであろうことから、実際の使用面積は現状よりやや狭くなるかもしれない。

一方、上下線とも進入時のカーブが大幅に緩和されるので、ホームドア設置効果もあって、進入速度・出発後の加速とも現状よりも高く設定できるものと思われる。

なお、この点について名鉄に問い合わせたものの、現時点では発表した以上のことは決まっておらず、回答ができないという返事であった。

名鉄発表の図に地図を重ね合わせてみると、4線化した際のホームは、いまの名鉄百貨店から「近鉄パッセ」を抜け、名鉄バスセンターや名鉄グランドホテルの地下まで使用する予定のようだということがわかった。

4線化した後の地下駅スペースは現状と比べて大きく広がる(画像:名鉄発表資料を基にOpenStreetMapを編集部で加工 © OpenStreetMap contributors)
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