JR東海社長が描く「リニア開業後の新幹線」構想

食堂車復活の可能性は?のぞみ停車駅は増える?

リニア中央新幹線の開業に向け走行試験を行う山梨リニア実験線のL0系(撮影:尾形文繁)
国鉄分割民営化によって1987年に発足したJR各社の歴史は、平成30年間の歴史にほぼ重なる。そして次の30年スパンで見た最大のトピックとなりそうなのが、JR東海が現在建設中のリニア中央新幹線だ。金子慎社長に、これまでの30年と今後の展望を聞いた。

──平成30年間の歴史の中で、最も重要な出来事は?

鉄道の投資は結果が実るまで長期にわたる。その意味で、どの方向に踏み出すかを決めることが最も重要。国鉄時代は東海道新幹線で得た収益が赤字路線の補填に充てられていたが、当社発足時に東海道新幹線を磨き上げるという決断をした。投資を積み重ね、2003年にすべての列車が時速270kmで走れるようになった。

もう1つの決断は、リニア中央新幹線の開発だ。当社の発足当初から東海道新幹線のバイパスを造る必要性を考えていた。

「完成時期はタイト」

──多額の資金がかかるリニアの決断は簡単ではなかったのでは?

2005年に実用化の基盤技術が確立したが、国の整備新幹線計画が各地で進んでいたので、順番を待っていたらいつ着工できるかわからない。そこで、07年に自己負担でリニアを建設する決断をした。

──品川─名古屋間の開業予定は2027年。間に合いますか。

南アルプスの土(ど)かぶりの深い所を初めて掘るので、何が起こるかわからない。経済面でも不測の事態はありうる。リニアへの投資だけでなく、健全経営と安定配当も堅持する必要がある。期待が大きいプロジェクトだけに全力で取り組むが、完成時期はタイトだ。

──リニア開業後、日本の交通はどう変わりますか?

バイパスに加え、これまで2時間半かかっていた東京─大阪間が67分で結ばれるインパクトは大きい。日本の経済の太い動脈がさらに、圧倒的に太くなる。日本の人口が減少し、高齢化が進む中でも、経済の核になるところは活力を保たなくてはいけない。

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