名古屋の私鉄では「特急通勤」が定着している

1カ月間同じ席が使える定期券も

前に特別車2両、後ろに一般車を連結した名鉄の特急列車(写真:BASICO / PIXTA)

鉄道各社による通勤客向けの着席サービスや、特急列車による通勤は各地に広がっている。2017年3月24日付の記事「東京人の知らない名古屋『着席通勤』の実態」では、東海旅客鉄道(JR東海)名古屋エリアの着席通勤の実態と改善に向けた提言について記した。

今回の記事では、同じ名古屋エリアの大手私鉄2社、名古屋鉄道(名鉄)と近畿日本鉄道(近鉄)の有料座席指定車の通勤利用について実態をご紹介するとともに、利用促進策について提言する。

一般列車に座席指定車をつなぐ名鉄

まず取り上げるのは、名古屋鉄道(名鉄)の座席指定車の通勤利用の状況である。名鉄では、料金不要の一般列車である「快速特急」「特急」にミューチケット(特別車両券)を必要する座席指定車「特別車」を連結しているほか、中部国際空港駅に発着する「全車特別車」の「ミュースカイ」を運行している(以下「名鉄特急」と呼ぶ)。

「特別車」という名称からわかるとおり、名鉄特急はすべて料金不要の一般列車に有料座席が一部または全部連結する方式を採用している。料金は360円均一(小児同額)と手頃な価格設定であり、平日の朝夕は通勤利用でにぎわっている。また、10回分の料金で11回分特別車を利用できる「回数特別車両券」や、同一列車の同一座席が1カ月間利用できる「ミュー定期券」が13,400円で発売され、通勤利用に便宜を図っている(他にも、14枚つづりの「時差・土休回数ミューチケット」も発売されている)。

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