名古屋の私鉄では「特急通勤」が定着している

1カ月間同じ席が使える定期券も

ある平日に、名鉄名古屋本線豊橋駅8時15分発特急名鉄岐阜行き(列車番号:93)1号車座席指定車を利用した。特別車2両+一般車6両による運行で、豊橋出発時点で一般車はかなりの混雑である一方、特別車の乗車率は約5割であった。1号車では国府で1人が下車し、その後神宮前駅までは各停車駅で数人ずつが入れ替わる程度であった。金山駅と名鉄名古屋駅では、それぞれ特別車2両分で15人ずつが下車した。

豊橋駅から名鉄名古屋駅までの所要時間は55分であるが、筆者が乗車したときは豊橋駅から金山駅または名鉄名古屋駅まで乗り通した旅客は少なく、金山駅または名鉄名古屋駅で下車した多くが途中駅から乗車した旅客である。途中駅からの朝の着席需要は相当程度あるようである。

また別の平日に、犬山線新鵜沼駅17時02分発特急豊橋行き(列車番号:174)2号車に乗車した。名鉄名古屋駅までは各停車駅からの乗車は1ケタに留まっていたが、名鉄名古屋駅でまとまった乗車があった。名鉄では名鉄名古屋駅―豊橋方面の区間、および名鉄名古屋駅―名鉄岐阜・新鵜沼方面などの区間でそれぞれに旺盛な着席需要がある。名鉄名古屋駅は中間駅であり、夕方以降に着席したい場合には、特別車を選択することが定番となっているようである。

近鉄特急も通勤利用が定着

名古屋エリアのもう一つの大手私鉄が近畿日本鉄道(近鉄)である。近鉄は大阪府、京都府、奈良県、三重県、愛知県にまたがる長大な路線網を生かして、一般列車とは別立ての有料特急を運行している。

ある平日に、名古屋線近鉄名古屋駅20時15分発特急鳥羽行き(列車番号:2013)4号車に乗車した。4両編成で、乗車率は約6割であった。初めの停車駅である桑名駅での乗降は若干名に留まったが、近鉄四日市駅で大量の下車があったのと入れ替わりに若干名の乗車があった。近鉄四日市駅までは特急料金がほぼ「ワンコイン」の510円で利用できることもあり、通勤客に多く利用されている。その後、白子駅、津駅、伊勢中川駅、松阪駅でそれぞれまとまった下車があった。

翌日は、鳥羽線五十鈴川駅7時30分発特急名古屋行き(列車番号:8712)6号車に乗車した。6両編成による運行で、宇治山田駅、伊勢市駅とこまめに停車し、松阪駅でまとまった乗車があった。伊勢中川駅でも多くの乗車があったが、次の停車駅である久居駅で多くの乗車があり、6号車はほぼ満席に近い状況となった。

次ページ「朝夕のみの特急停車駅」が裏付ける通勤利用
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