ビットコイン急騰でも再編が避けられない事情

2020年を見据えて、まもなく動きが本格化?

正直、動いた後に何を言っても後付けとなるが、久しぶりに動意付いたことは間違いない。今後は、このタイミングでどれだけ出来高が増加するか、つまり新規の投資家が参戦するかどうかがこの相場の持続力を判断するポイントとなろう。

一方、目先は4月の値動きに関心が向かいやすくなっているなか、政府は3月中旬に金融商品取引法、資金決済法の改正案などを閣議決定した。ビットコインなど暗号資産の価格に対する影響は限定的と考えるが、法令のスケジュールおよび方向性がはっきりし内部管理体制の構築のターゲットが明確となったことから、利用者保護および業界全体の健全化・信用回復にはつながりそうだ。そして、判明したスケジュールを見据えた業界再編の動きも活発化すると考える。

金融庁は新ルール設定で一歩踏み込んだ

金融商品取引法や資金決済法の改正案などについては、昨年、金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会」で議論のテーマとして再三挙がっていたことから想定の範囲内と言える。

だが、「金商法上の登録審査に新たな期限を設ける」という新ルールは一歩踏み込んだ感がある。金商法改正の施行予定日である2020年4月から1年半の間に、正式に登録を済ませられない「金商業におけるみなし業者」はサービスを提供できなくなる。つまり2021年9月までに、金商法改正で設けられた内部管理体制のハードルをクリアできなければ、強制的に退場となるわけだ。

金融庁がこうした新ルールを設けたのは、現物取引を扱う資金決済法上のみなし業者の問題が存在するためのようだ。資金決済法における仮想通貨交換業者の「みなし会社」は、現在1社存在する。2017年4月に資金決済法が施行されてほぼ2年経過したが、「みなし業者」のまま事業が行われている状況を是正したいという思惑があるのだろう。

現在、仮想通貨交換業者は、資金決済法、個人情報保護法、外国為替及び外国貿易法(外為法)、仮想通貨交換業の自主規制団体(一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA))の基準に沿った運用を行っている。そのほかに、国際的なAML(アンチ・マネーロンダリング)規制強化の流れにより、犯罪収益移転防止法(犯収法)の遵守も求められている。AMLに関しては、マネーロンダリングやテロ資金対策を審査する国際組織の金融活動作業部会(FATF)の調査団が2019年秋に来日し、日本の取り組み状況を精査することもあり、仮想通貨交換業者だけではなくメガバンク、地方銀行などさまざまな金融機関も対応に追われている。

そうした中、暗号通貨のレバレッジ取引など証拠金取引を手掛ける交換業者は、2020年以降、1年半で改正された金商法に対応できる内部管理体制を構築する必要を迫られたわけだ。

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