毒と薬のひみつ 齋藤勝裕著
薬は時として毒になる。たとえば副作用もなく安全な睡眠薬として世に出たサリドマイドには、初期の妊婦が服用すると催奇形性があり日本でも多くの被害者を出したことは周知のとおりだ。しかし今またサリドマイドはすぐれた抗がん剤、ハンセン病治療薬として注目されている。
名古屋工業大学教授の著者は「薬は常に毒になる機会をうかがっており、毒は薬として名誉挽回の機会を待ち望んで」いるという。毒と薬は分子構造としてはまったく同じもの、つまり使い方ひとつ。薬だからといって安心せず、また毒だからとこわがりすぎず上手に付き合うために必要な知識を、歴史上の逸話などを交えてわかりやすく教えてくれる。
サイエンス・アイ新書 999円
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