「ロジカルな人」の企画が面白みに欠ける理由 「プライベートの思考法」こそ仕事に生かそう

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「ロジカル」なだけでは、優れたアイデアは湧かないといいます(画像:adam121 / PIXTA)
累計20万部を突破している『仮説思考』『論点思考』の著者、内田和成氏。現在は早稲田大学ビジネススクールの教授で競争戦略論やリーダーシップ論を教えるが、20年以上ボストン コンサルティング グループに在籍し、日本代表を務めた経験もある。経営コンサルタントの仕事を通じて優れた経営者から学んだのは、彼らは経験や直感を大切にしているということである。
大改革を成し遂げた経営者、ユニークな戦略で自社を飛躍させた経営者に、「なぜ、そのような意思決定をしたのか」と尋ねると、「勘です」とか、「答えは誰もわからない、やってみるしかない」という回答をもらうことが多いという。
内田氏の新著『右脳思考』では、優れたビジネスパーソンが意外にも、感覚・感情、直感、勘など、論理(ロジック)では説明できない「右脳」的なものを重視していると述べている。本稿では、右脳の力を磨く方法を解説してもらう。

ロジックが正しいことよりも大事なこととは

「優秀なコンサルタントはいきなりフレームワークを持ち出さない」

『右脳思考』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

いきなり左脳的に分析を始めたり、プレゼンテーションをしたりするのはあまりお勧めできないと私は考えている。20年以上、コンサルティングの仕事をしている中で、ロジックは文句のつけようのないくらい完璧な提案でも、クライアントが採用しなかった事例をいくつも見てきたからだ。駆け出しのコンサルタントだった頃、自分の所属していたチームでも、そうした目にあったことがある。

ロジックが正しいことよりも大事なことは、人を動かすことなのである。そして、人を動かすのは、「やりたい」「面白そう」「やらないとまずいな」といった気持ち、感情である。

ビジネスでは「データを基に、理詰めでやれ」と言われるが、「思いつき」「感覚・感情」も大いに生かしたほうがよいと考えている。日常生活では何か行動を起こすときに、ほとんど勘や思いつきといった右脳発想から考え始めて、後から左脳的、つまりロジカルな整合性をとるようにするのがほとんどのはずだ。このやり方をビジネスに生かさない手はないと思う。

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