「ロジカルな人」の企画が面白みに欠ける理由

「プライベートの思考法」こそ仕事に生かそう

あなたは彼女(彼)と映画を見に行くことになっているとしよう。もちろん2人で相談するのが普通だが、その前に、自分ひとりで考えてみたとしたら、どうなるだろうか。

1つ目のパターンはこうなる。

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今はやっている映画は何かな? そういえば友だちが、イギリスのロックバンド、クイーンを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』が面白いと言ってたな、でも、テレビで映画評論家がアカデミー賞作品賞の『グリーンブック』を薦めていたな。人種差別が当たり前の時代を舞台に、白人の運転手と黒人の天才ピアニストの心の交流を扱っているそうだ。一方で、自分の見たい映画から選ぶとしたら、『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・ワールド』のようなアクション映画が好きだから、『スパイダーマン:スパイダーバース』がいいかな。しかし、彼女は『ラ・ラ・ランド』のような恋愛ドラマや『アラジン』や『アナと雪の女王』のようなディズニーアニメが好きだ。

この間、デートを直前でキャンセルして迷惑をかけたばかりだから、今日は彼女の趣味に合わせたほうがよさそうだ。

そういえば、この間ディズニーのアニメを見たと言っていたから、今日はアニメではなく恋愛モノがよさそうだ。『翔んで埼玉』でも見に行こうか。

映画の後は、最近話題の若手シェフのイタリアンレストランで食事することになっているから、彼女もおしゃれしてくるだろう。となると映画館も奮発して六本木のシネコンにあるデラックスペアシートをとろう。

なんとなく、頭に浮かんだ発想を自分の頭の中で整理して、具体的なアクションプランに落とし込んでいく。後半の部分は結構ロジカルシンキングになっているが、最初の出だしは思いつき、すなわち右脳で発想している。

退屈な選択 正しいけれど面白くない

もう1つのパターンは、もっとロジカルに決める方法だ。

まず、自分が最近見た映画を一覧表にして、どんなカテゴリーの映画を多く見ているか、逆に最近見ていないカテゴリーはどこか? 最近の自分は洋画ばかり見ているので、今日は日本映画のほうがよいかもしれない。

しかし、彼女とまだ2回目のデートだから、映画を通じてより親密になることが狙いだ。そうだとすれば、自分が好きな映画を選ぶだけでなく、彼女が好きな映画を選ぶ必要がある。そのために事前にしっかり調べておくことが大事だ。でもそれが難しければ、彼女が最近どんな映画を見ているかも想像して、傾向と対策を練る必要がある。彼女はどうもミュージカルや恋愛モノが好きそうだ。

次に、最近評判の映画は何かを雑誌や新聞で探してみる。もちろん、ネットでの調査は欠かせない。それによると、どの映画サイトでもレビュー数が多いのが『ボヘミアン・ラプソディ』だ。次いでこの1週間でレビュー数が急増しているのが、アカデミー賞作品賞の『グリーンブック』だ。その次は『翔んで埼玉』だ。

彼女の趣味がいまひとつはっきりしないが、まだそれほど親密でない2人なので、どろどろの人間関係を扱っている映画やシリアスな社会派の映画は避けたほうがいいな。そうなると、『ボヘミアン・ラプソディ』や『グリーンブック』は候補外になるな。そうだとすれば3番目のギャグマンガがベースになっている『翔んで埼玉』の映画が無難な選択だろう。彼女は埼玉出身ではなかったはずだ。

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