桜庭吉彦52歳、「釜石のラグビー」に懸ける思い ラグビーW杯のアンバサダーとしても活動

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3回のW杯日本代表メンバーに名を連ねた桜庭にとって忘れられない試合がある。1995年南アフリカ大会1次リーグ第3戦の日本対ニュージーランド戦。145対17という記録的な大敗を喫した。今もW杯の最多失点記録として残っている。

「苦い思い出だが、あの試合をきっかけにラグビーW杯で勝つことを本気で考えるようになった。その結果が、2015年のイングランド大会で花開いた」

現在の日本代表ヘッドコーチ(HC)のジェイミー・ジョセフとは1999年のW杯ウェールズ大会でチームメートだった間柄だ。

今の日本代表にも期待

「基本的にチームの和を大事にする選手だった。HCとしても選手との対話を重視しており、選手に納得させたうえで試合に臨ませようという雰囲気。今の日本代表は前回大会のメンバーに比べると明らかに“大人のチーム”」

「(スーパーラグビーに参戦する)サンウルブズのおかげで地力もついた。スクラムやラインアウトでも世界と互角に渡り合えるようになっている」

日本代表へ熱いエールを送る桜庭。ただ、本職のロックのポジションに話を振ると、「今は海外出身選手に頼っていますね。日本人選手の活躍にも期待します」と笑う。

桜庭吉彦(さくらば よしひこ)/1966年生まれ。秋田県立秋田工業高校卒業後、新日本製鐵釜石ラグビー部に入部。 1986年からは日本代表に選ばれ、ラグビーワールドカップ3大会出場(1987・1995・1999)。ポジションはロック。日本代表キャップ数43。2001年に新日鐵釜石は「釜石シーウェイブス」となり、2002年ヘッドコーチに就任。2006年現役引退。現在はゼネラルマネージャー。ラグビーワールドカップ2019大会アンバサダーも務める(撮影:梅谷秀司)

今回のラグビーW杯では「アンバサダー」としての重責も担う桜庭。

「まずは少しでも多くの人たちにラグビーW杯を知ってもらうことがミッション。会場でのボランティア活動や、選手との交流など、応援する人たちにはさまざまな形でかかわってもらいたい」

9月20日の開幕戦まで残り100日を切った時点から、大会のスポンサーなどと全国行脚する予定という。

現役時代と同様、アンバサダーとしても「献身的」な姿勢を貫く構えだ。

(文中敬称略)

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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