企業に「eスポーツ枠」で採用される利点は何か

プロチームへの「協賛」とは何が違うのか

「私どもの会社はゲーム市場に生かされている企業です。どんな形であれゲームに恩返しや何かしらの貢献をしたいと考えていました。そこでeスポーツに参加することが、メーカーやユーザーに貢献できるひとつの手段ではないかと。

デジタルハーツで席を置きながらeスポーツ大会に参加する小川選手(写真:デジタルハーツ)

幸い弊社に籍を置いている社員の中にはゲームの腕前に自信がある者が多く、当社の社会人ゲームチームを組織する以前からeスポーツ大会に出場し、好成績を残している者がおりましたので願ったりかなったりでした」(デジタルハーツエンターテイメント事業本部メディア事業部の山科真二氏)

デジタルハーツの社会人ゲームチームであるデジタルハーツゲーミングでは、対戦格闘ゲーム『ギルティギア』シリーズで活躍する小川選手と『鉄拳』シリーズのみぃみ選手、『ドラゴンボールファイターズ』のソウジ選手、『鉄拳7』でJeSUのプロライセンスを所持しているペコス選手の4選手が在籍しています。いずれも過去に大会で好成績を残している猛者ぞろいです。

社業としては、デバッグに加え、事務、ローカライズ用のライティング、カスタマーサポートなど多岐にわたっており、業務時間の約半分を充てられる。業務内容によって、日を時間で割ることもあれば、曜日によって振り分けられることもあるといいます。

選手にとって専業や兼業にはない利点とは?

選手としての活動は、普段は練習以外に動画の配信も行っており、ゆくゆくはボランティア活動などの社会貢献活動もやっていく予定。

山科氏は社会人としてeスポーツ選手をやることに、専業や兼業にはない利点があると言います。

eスポーツ選手やストリーマーが活動する部屋。デバッグなどの作業もここで行う(写真:デジタルハーツ)

「eスポーツ選手がいつまで活躍できるかは、まだわかっていませんが、多くの人がセカンドキャリアとして社会人にならなくてはいけないと思います。そのとき、初めて社会人になるのでは、ほかの社員と比べてかなり遅れた状態になってしまいます。社会人選手であれば、選手をしながら仕事も並行して行うので、選手時代から社会人としてのスキルが磨かれます。引退し、社業に専念するときにすでにそちらでもベテランとしての活躍が見込めるようになるわけです」(山科氏)

パナソニックの企業スポーツと同様に、eスポーツ大会へ参加する場合は、出張扱いとなり、渡航費や滞在費は会社が負担し、大会の期間中は業務扱いになるといいます。土日に試合がある場合は代休として平日に休みが割り当てられることもあるわけです。

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