社会人力を一段上げる「通勤電車のしごと術」 行き帰りを有効に使わないのはもったいない

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電車内でアイデアを練るとき、ちょっとした思考法を試してみるのも良さそうだ。

美崎さんが実践しているのは「カラーバス」だ。事前に、例えば「赤」などの“色”をひとつ決めておきながら、通勤電車やバスに乗る。そして車窓から目に入ってきたポストや看板やスカーフなどの「赤いモノ」を意識して見つけていくわけだ。すると、普段は漫然と見ていた景色から意外な発見がまず見つかる。「あのビルのカベ、赤だったのか」とか「そういえばレストランの看板は赤系が多いな」といった具合だ。

「ポイントは、そうやって赤い色を目で追いながら、もうひとつ課題を設定しておくこと。例えば僕の場合は『次の書籍のテーマをどうするか』と設定しておく。すると、赤色で目についた、これまでなら見逃していた情報と、本のテーマとをむりやり組み合わせていくと、普通に生活していたら気づかないユニークなアイデアにたどり着くことがある。イノベーティブなアイデアって、たいてい何かと何かの組み合わせですからね」(美崎さん)

釣りのことを考える、勉強する、寝る…どれも正解

ほかにも、通勤電車内で先輩たちが実施しているスマート仕事術「ライフハック」にはこんなものがある。

「通勤時は気分をアゲるために、AK-69 など自分を鼓舞してくれるようなメッセージ性の高い音楽を聴いている。社に着いたときは、勝手にバッターボックスに立つメジャーリーガーのイメージになって、気合いが入ります(笑)」(32歳・広告)

「仕事とは直接関係ないけれど、投資情報や英会話のメルマガをスマホでチェックして、投資や英語のカンが鈍らないようにしています」(45歳・サービス)

「なるべく座って寝る。目をつむる。少しでも仕事で使うライフを充電する貴重な場になっています」(42歳・販売)

「『次はどこをどう攻めようか』『あのあたりは狙い目だな』と電車内で考えている。いや、営業戦略とかじゃなくて、週末に行く釣りのこと(笑)。そのほうが仕事のやる気も出るので」(30歳・IT)

実のところ、バラバラだし、仕事に関係ないことをしている人も多かった。もっとも、美崎さんは「それが正解。すべて正解です」と言う。

「大切なのは、通勤時間も仕事の時間も、趣味の時間も、家でリラックスしている時間も、すべて“自分の時間だ”と意識して大事に使うことです。自分の時間だから、何をしてもいいけれど、人生の時間は限られている。誰かに振り回されたり、ただ漫然と過ごしたりするのではなく、『自分は何をしたいか』と考えて大切に使うことこそが大事だと思います」(美崎さん)

早速今日から意識して、アイデアを練るなり、チョコっと寝るなり、を実践してみよう。

箱田 高樹 カデナクリエイト

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はこだ こうき / Koki Hakoda

1972年新潟県生まれ。江戸川大学社会学部卒業後、カデナクリエイト入社。ビジネスマン向けの媒体を中心に執筆・編集を手掛ける。著書に『カジュアル起業~"好き"を究めて自分らしく稼ぐ~』、共著に『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』『クイズ商売脳の鍛え方』など。最新著に『課長・部長のための労務管理 問題解決の基本』(カデナクリエイト他著・マイナビ出版)。

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