日本の天皇をなお「日王」と呼ぶ人々の複雑感情

「陛下」という呼称にも歴史的背景がある

天皇や皇帝、王に対して用いられる「陛下」という敬称。いったいどういう意味があるのか考えてみたことはありますか?(写真:BrendanHunter/iStock)

新しい元号も発表され、天皇陛下の譲位がいよいよ4月30日に迫ってきました。譲位された後、天皇陛下は上皇、皇后陛下は上皇后になられます(「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の第3条と第4条による)。敬称は、今後も両陛下ともに「陛下」のままとされています。

この天皇や皇帝、王に対して用いられる「陛下」という敬称ですが、そもそもいったいどういう意味があるのでしょうか。国家の最高地位者に対し、「下」という文字が使われるのはいったいどういうことなのでしょうか。

なぜ「下」なのか

「陛下」は紀元前3世紀、秦の始皇帝の時代から使われ始めました。日本でも律令制の確立とともに8世紀には、天皇に「陛下」の敬称を用いることが定められます。「陛」は「きざはし」と訓読みし、皇帝の住む宮殿へ通じる階段を意味します。

ただし皇帝はその階段の上にいるはずですから、「陛下」ではなく、「陛上」となると考えると自然ですが、いったいなぜ、「下」なのでしょうか。

これには理由があります。当時、人々は皇帝に直接、話しかけることはできませんでした。皇帝の侍従を通じて奏上することができたのです。この侍従は宮殿の階段の下に控えていました。そのため、「階下の者を通じて、奏上致します」という意味で、「陛下」と呼びかけたのです。

最初、「陛下」というのは、皇帝に奏上する際に使われる枕詞のようなものでしたが、次第にそれ自体が皇帝を表す尊称として使われるようになります。しかし、中国では、「陛下(ピーシャ)」よりも「皇上(ホアンシャン)」の敬称のほうが頻繁に用いられました。

皇太子をはじめ皇帝の子や皇族は「殿下」と呼ばれます。「殿下」の「殿」は宮殿のことです。「宮殿の下に控える侍従の者を通じて申し上げます」という意味で使われ、「陛下」よりも一段格下の尊称として使われます。

さらに、重臣に対しては、「閣下」の尊称が使われます。「殿下」よりも一段格下です。「閣」は楼閣を意味します。現在では、大統領や首相、大使などに対しても用いられます。

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