三菱自「エクリプス クロス」、発売1年の通信簿 今後の焦点はプラグインハイブリッド化

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試乗をしての印象は非常によく、1年を経たいまもその質のよい走りが記憶に蘇る。クルマの出来栄えから考えると、この1年が堅調な販売だったとはいえ、年間販売台数で40位台にとどまるのは、世の評価が低すぎるような気がする。

エクリプス クロスの兄貴分といえるミッドサイズSUVの「アウトランダー」は、ガソリンエンジン車の他にプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。そして、PHEVの販売比率が約75%に達している。エクリプス クロスにも、いずれPHEVが追加される可能性はある。

エクリプス クロス発表の折、益子修CEOは「エクリプス クロスも電動化させるが、いま頭にあるのはPHEVをできるだけ早く出したいという思いであり、これから開発していきたい」と、語っている。

アウトランダーPHEVは、世界で最も販売台数の多いプラグインハイブリッド車であり、電動化はSUVとともに三菱自の経営の2本柱の1つである。

小型車とSUVですみ分け

三菱自では、軽自動車を含め小型のクルマは電気自動車(EV)とし、車両重量が重くなり、また遠出の機会も増えるであろうSUVはプラグインハイブリッド車というすみ分けをしながら電動化を進めていく予定だ。

ことに欧州で高い販売実績があるエクリプス クロスの場合、EU域内では2021年から1km当たりの二酸化炭素排出量を、企業平均値で95g以内に抑える規制が実施される予定だ。これは、日本の燃費換算で約24km/Lに相当する。現状、エクリプス クロスの燃費性能は、2輪駆動車でさえJC08モードで15km/Lの数値であり、今後世界的に適用されるWLTCモードではより悪化傾向となるので、電動化は必須といえるだろう。

エクリプス クロスのPHEV導入が1日も早く望まれると同時に、導入されれば、アウトランダーと同じように、エクリプス クロスの販売台数をより押し上げるに違いない。既存のアウトランダーPHEVは、日常領域においてEVのように走らせることができ、快適性はいっそう高まる。プラグインハイブリッド化は、エクリプス クロスが市場でもたらした好印象を、さらに高めるのではないだろうか。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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