三菱自「エクリプス クロス」、発売1年の通信簿 今後の焦点はプラグインハイブリッド化

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正面から見たところは、アウトランダーからはじまった「ダイナミックシールド」と呼ばれる造形の顔つきであり、近年の三菱自のSUVであることを明らかにしている。ダイナミックシールドとは、三菱車の力強さや高性能さを表しているという。

後ろ姿は、クーペのように屋根からなだらかに傾斜した造形であるのはもちろんだが、ルーフスポイラーと、後ろの窓のやや高い位置に横一線にのびるテールランプの造形とによって、あたかも2枚のリアウイングが装備されているかのように見える様子が、スポーティさを表している。

居住性も十分に考慮

そのような外観へのこだわりがありながら、後席の居住性が十分に考慮されているのが特徴だ。後席は前後へ20cmのスライドができ、なおかつ頭上には十分な空間のゆとりがある。荷室も、クーペ的に屋根が傾斜した外観の造形によって高さはそれほどでもないが、容積としては旅の荷物を積めるほどの広さが確保されている。

日常的には都市部での近距離移動が主で、ときに郊外へドライブに出かけることがあるといったクルマの利用であれば、それを十分満たしてくれる実用性を持つ荷室だろう。

現在販売されているのは、エンジン排気量1.5リッターのガソリンターボのみで、変速機はCVT(ベルト式無段変速機)が組み合わされる。エクリプス クロスは外観が大きく見えるので、そのような小排気量エンジンで十分な走りが期待できるのだろうかと思ったが、いざ運転してみると、活気ある運転感覚に驚かされた。比較的低い回転数のうちに十分なトルクを出すエンジン特性とされており、また車両重量がアウトランダーに比べ数十kg軽いので、動きが俊敏になるのだろう。

同時にまた、乗り心地も快適であることがエクリプス クロスの印象深い点である。それは後席も同様だ。しなやかな走行感覚は、上質なセダンのようであった。

もちろん、三菱自のSUVである以上、4輪駆動技術はアウトランダーから改良を加えて搭載している。一方、4輪駆動までは必要ないというのであれば、2輪駆動を選ぶことができる。こちらは4輪駆動車に比べ70kgも車両重量が軽くなるので、日常の用途においていっそう軽快な運転を楽しめるのではないか。

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