人生観すら変わる「アフリカ海外研修」のリアル 日本と大きく異なる環境だからこそ行く価値

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またルワンダは、「ICTの活用促進に最も成功した政府」(「グローバルインフォメーション・テクノロジー・レポート2015」世界経済フォーラム)にも選ばれています。ICT産業への投資を積極的に行っているルワンダのリアルを肌で感じることのできるのもこのインターンシップの強みといえます。

次にアフリカでのボランティア活動の例を見ていきたいと思います。人材育成の要素が強いインターンシップに対してボランティアはどうなのでしょうか。

アフリカでの海外ボランティア

アフリカでの実践活動といえば、JICA海外協力隊のようなボランティア事業をイメージされる方も多いと思います。

今回は60年以上の歴史を持ち43カ国にネットワークを持つ国際的な「NPO法人ICYEジャパン」(事務局:東京都新宿区、理事長・村野繁氏)の又吉莉奈氏にアフリカでのボランティア活動について聞きました。

それは海外インターンシップとはまったく性質の違う世界でした。

ICYEでは、現在アフリカ8カ国で受け入れを行っており、日本からはガーナ、ケニア、タンザニア、ウガンダでの子どもや貧困に関わることを望む参加者が多いとのこと。

ウガンダで学ぶ子どもたち(写真:NPO法人ICYEジャパン提供)

同団体では基本1年間の参加がデフォルトで、半年以下を短期としているのですが、大学生などが休み期間を使って1カ月間での参加も可能です。

参加者のパターンとして3つに分けられると、又吉氏は言います。

1つ目は、子どもと触れ合って楽しかったという個人的な充足感を持ってキラキラしたまま帰国するパターン。1カ月間の参加者に多いそうです。

2つ目は、短期間の参加でも途中で「何か」に気づくことができる学生のパターン。偏差値の高い大学生に多いらしく、現地の厳しい現実を目の当たりにし、こんなはずじゃなかったと拒絶反応の末に帰国したり、本人の不満足につながったりするケースも多いそうです。

3つ目は、ほとんどは長期参加の場合だそうですが、何もできない自分に気づいて帰国するパターン。最初はアフリカの教育現場や国際協力について知りたいと思って参加したけれども、現地の非常に複雑な事情を肌で感じ、自分は外国人としてやっぱり入っていけないのだと自覚して帰国する人もいるそうです。

以上のことからアフリカのリアルを知ると、不完全燃焼を起こすということが、先進国の文化圏で生活している多くの日本人の反応なのでしょう。

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